PR

ニュース プレミアム

【クローズアップ科学】「映像酔い」なぜ起きる 日本の安全技術、世界標準へ

Messenger
前方と左右、床面と四方を囲む巨大スクリーン。特殊なめがねをかけて内部に立つと、仮想現実(VR)映像を体験できる=茨城県つくば市の産業技術総合研究所(松田麻希撮影)
前方と左右、床面と四方を囲む巨大スクリーン。特殊なめがねをかけて内部に立つと、仮想現実(VR)映像を体験できる=茨城県つくば市の産業技術総合研究所(松田麻希撮影)

 映像技術の進化により、実写と見まがうようなCGや迫力ある3次元映像を手軽に楽しめるようになった。一方で、映像は乗り物酔いのような症状を招くこともあり、その安全対策に関心が高まっている。日本が世界標準を目指す「映像酔い」の軽減技術とは、どのようなものなのか。開発の最前線を取材した。

脳が引っ張られる感覚

 前面と左右、床面を巨大なスクリーンに囲まれた空間に立ち、特殊なめがねをかけると、目の前には臨場感たっぷりの工事現場が現れた。そばにあったショベルカーが突然動き出すと、思わず身をのけぞらせてしまう。建設中の高層ビルの細い足場に場面が移ると、高所恐怖症の記者はただの映像だと頭では分かっていながら、仮想世界の手すりをつかもうとしていた。

 これは、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)にある仮想現実(VR)の実験設備「CAVE(ケーブ)」だ。産総研は、映像が人体に与える影響を人間工学の視点から研究してきた。

 CAVEや頭部装着型ディスプレーを使い、はじめは興味津々で仮想世界を散歩していたが、徐々に脳が斜め後方に引っ張られるような、胃の底が落ち着かないような症状が現れた。映像酔いのごく初期の症状だ。映像酔いはVRなどダイナミックな動きのある映像や手ぶれの多い映像を見たときに生じやすいとされ、めまいや冷や汗から、最終的には吐き気や嘔吐(おうと)を伴うものもある。

 大抵は視聴を止めれば短時間で症状が治まるが、時間をおいて症状が現れたり、不快感が1日程度続いたりするケースもあるという。航空機の操縦など業務によっては、重大な危険につながる可能性もある。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ