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【経済インサイド】「文藝春秋」と実質部数は並ぶ「ハルメク」の内訳

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ハルメク読者モニターによる座談会。シニア女性のニーズを捉えてオリジナル商品開発や記事の企画に生かしている
ハルメク読者モニターによる座談会。シニア女性のニーズを捉えてオリジナル商品開発や記事の企画に生かしている

 出版業界が不況といわれて久しい。出版科学研究所によると、平成30年の紙の出版物の販売額はピークだった8年から半減し、1兆3000億円を下回ると予想されている。電子書籍へのシフトや活字離れといった減少要因が挙げられ、今後も業界再編による出版業界の構造変化が進むとみられる。不振が続く雑誌だが、シニア女性向けに読者層を絞りながらも毎月20万部を発行する月刊誌が注目されている。

 ■50代以上の女性向け

 ハルメクホールディングス(東京都新宿区)が発行する月刊誌「ハルメク」は、書店に並ばないので一般的な知名度は決して高くない。しかし定期購読によって配達され、安定して一定部数が出回っている。

 売れ行きのすごさは、他の雑誌の部数と比較するとよく分かる。日本雑誌協会がまとめた発行部数によると、月刊「文藝春秋」(文藝春秋)が約40万部、「週刊文春」(同)約60万部、「週刊新潮」(新潮社)約43万部となっている。女性誌では30~50代向けの月刊「婦人画報」(ハースト婦人画報社)約9万部、月2回刊「クロワッサン」(マガジンハウス)約15万部。ハルメクと同じ50代以上のシニア対象の月刊「ゆうゆう」(主婦の友社)が約7万部となっている。

 これらの雑誌は全て書店で購入できる。しかし、店頭で売れなかった場合は返品される。この返品される割合を返本率という。実数は公表されていないが、返本率は平均5割ほどとされている。つまり書店で販売されている雑誌は、公表されている発行部数の半分が実際に購入されたと推察される。すると全てが読者に届けられるハルメクは、日本を代表する総合誌の一つである月刊「文藝春秋」と実質的にほぼ同じ部数といえる。

 ハルメクは50代以上の女性向け雑誌として、健康、料理、ファッション、お金といった記事を掲載している。8年に「いきいき」として前身の会社が創刊。雑誌の出版とともに通信販売を手掛けてきた。しかしシステムなどへの過剰投資により、21年に民事再生法適用を申請し、ファンドから宮澤孝夫社長が経営再建のために送り込まれる。宮澤社長はボストン・コンサルティング・グループなどを経て、コールセンターアウトソーシングを手掛けるテレマーケティングジャパン(現・TMJ)社長を務めた。

 再建を任されたときの心境を宮澤社長は「出版社の社長になったつもりはなかった。大変魅力的なシニアビジネスだと感じた」と振り返る。そして新たに打ち出した経営ビジョンが「雑誌はブランドへの信頼強化と顧客獲得の手段であり、利益を上げなくてもいい。通販事業で収益化を図る」という方針だった。

 ■読者本位の記事づくり

 一方で雑誌づくりには手を抜かない。「読者の満足度を最優先し、読者本位の記事を掲載する」という編集方針を掲げる。雑誌を通して読者からの信頼を高め、通販で利益を上げて雑誌制作に再投資するというビジネススキームを作り上げた。

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