【田村秀男のお金は知っている】「対米貿易交渉妥結なら中国経済回復」は無知な楽観論 行き詰まる中国金融モデル
グラフは以上述べた、中国金融モデルの行き詰まりを端的に示すものだ。リーマン後、人民銀行による通貨発行量は急増し、それに支えられて新規融資は膨張していたが、15年後半から通貨発行量は減少、または横ばいに転じた。同年の人民元切り下げを機に、資本逃避が加速し、人民銀行は外貨資産を取り崩して人民元資金を市場から回収する。しかし、金融の収縮は不動産バブルを潰し、結局は金融機関には不良債権となって跳ね返るので、17年にはやむにやまれず金融緩和して融資を拡大させた。
しかし、外貨資産は減り続けるので、人民銀行は元の発行を抑制する中で、銀行融資を国有企業大手などに限定するしかない。
3月1日が期限の米中貿易交渉が妥結すれば中国経済は好転するとの見方がエコノミストの間に多いが、中国金融に無知な楽観論だ。
たとえ「休戦」になっても、破綻経済立て直しの決め手にはならないだろう。(産経新聞特別記者・田村秀男)
