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【スポーツ異聞】新潟高野連の波紋 DeNAの筒香も100球制限支持

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昨年夏の甲子園大会で力投する金足農(現日本ハム)の吉田輝星投手。6試合で881球を投げた=昨年8月、甲子園
昨年夏の甲子園大会で力投する金足農(現日本ハム)の吉田輝星投手。6試合で881球を投げた=昨年8月、甲子園

 新潟県高野連(高校野球連盟)が昨年12月、19年の春季新潟大会で投手の球数を100に制限することを決めたが、この全国に先駆けての試みが、各方面に波紋を広げている。日本高野連は一地方のみの「特例」での導入には否定的だが、大物選手からも支持する声が上がっている。一方、レベルが高い投手陣がそろう強豪校が有利になるのは事実で、今後の行方に注目だ。

 高校野球で投手の肩の酷使は、長い間、議論されてきた問題だ。昔は1人で投げ抜くことが美学とされてきたこともあったが、近年は指導者の判断で、自主的に球数を制限する学校も増えている。

 日本高野連は昨春の選抜大会から、選手の負担軽減などを目的に、延長十三回からタイブレーク制を導入した。これにより、延長十五回引き分けで翌日に再試合といったことはなくなったが、球数制限については特になされておらず、新潟高野連が“風穴”を開けたのは間違いない。

 いろいろな分野から賛成意見が相次いでいる。スポーツ庁の鈴木大地長官は2月4日に共同通信が配信したインタビューで、高校野球で、投球回数、球数に一定の制限を設けることに「若い人の障害予防の観点から好ましい」と述べ、新潟高野連の決定にエールを送った。

 大物プロ野球選手も、球数制限の支持を打ち出している。DeNAの筒香嘉智外野手は1月25日、日本外国特派員協会で会見し、高校野球について「昨年も球数の問題が出た。本当に子供たちのためになっているのか」と疑問を投げかけた。さらには「連投、連投で肘や肩の故障が小中学生に増えている」と訴えた。

 また、全日本軟式野球連盟は14日の評議員会で、小学生が軟式球で行う学童野球について、8月の全国大会から投手の投球数を一日70球以内に制限することを決めた。

 もっとも、球数制限よりも、「連投」の方が問題との声は根強い。早実高時代に5季連続で甲子園出場を果たした荒木大輔氏(現日本ハム2軍監督)は17年9月28日付産経新聞朝刊運動面(東京本社版)のコラム「野球の杜」で、「1試合の球数よりも、連続する試合で同じ投手に多くの球数を投げさせることの方が問題だと思っている。経験上、仮に200球を投げたとしても、翌日休養をとれば、疲労はある程度、解消される」と指摘している。

 甲子園や地方大会の問題点は連投が続くこと。多くの好投手をそろえた学校が断然、有利になる。

 ちなみに、昨夏の甲子園で準優勝を果たした金足農高は吉田輝星投手(日本ハム1位)が6試合で881球を投げた。これに対し、決勝で金足農高を破り、春夏連覇を飾った大阪桐蔭高には柿木蓮(日本ハム5位)、横川凱(巨人4位)、根尾昂(中日1位)とプロ野球のドラフトにかかった超高校級の投手がそろっていた。

 球数が制限されていたら、果たして金足農高が決勝まで勝ち上がることができたかは分からず、吉田のようなヒーローは生まれなくなるかもしれない。

 日本高野連は先月、今年夏の甲子園大会で、休養日をこれまでの1日から2日に増やすことを発表した。準々決勝翌日に加え、準決勝翌日も休養日になる。

 単に球数を制限するだけでなく、出場校を減らしたり、大会期間を長くしてさらに休養日を多くするなど、抜本的な改革が必要になってくるだろう。

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