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【経済インサイド】“反増税”急先鋒が官邸を去った

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藤井聡内閣官房参与(寺河内美奈撮影)
藤井聡内閣官房参与(寺河内美奈撮影)

 年も押し詰まった昨年12月28日、政府が発表した人事が市場関係者に少なからぬ驚きを与えた。同日付で、藤井聡内閣官房参与が退職したのだ。藤井氏は京大大学院教授で、災害などに強い国づくりを進める「国土強靭(きょうじん)化」を担当すると同時に、今年10月に予定される消費税増税に強く反対してきたことで知られる。反増税の急先鋒(せんぽう)が首相周辺から離れたことで、「これまで2度に渡り増税を延期してきた安倍晋三政権も、次の増税は間違いなくやる」との見方が一気に広がった。

 ■対策の効果を否定

 藤井氏は、第2次安倍政権が発足した2012年12月から内閣官房参与を務め、安倍首相を支えてきた。突然の退職の背景には何があったのか。

 藤井氏自身に「消費税をめぐって、首相ともめたのですか?」とぶつけると、「全然そんなことないですよ。『今度、一緒にゆっくり食事でもしよう』と話をしているくらいですから。安倍首相に、増税は国益にとても大事な話なので、自由な立場で発言したい、言論活動に注力したい、と申し上げたのです」との答えが返ってきた。

 藤井氏は、消費税増税は日本経済に悪影響を及ぼすとして、反対の立場を貫いてきた。

 政府は今年10月の消費税増税に備え、予算や税制などの措置により、景気減速を回避する対策を打ち出している。昨年12月の経済財政諮問会議には、こうした対策が、増税による「負担増」を相殺するとの試算を示した。しかし藤井氏は、この試算に対して批判的な立場だ。

 政府の試算によると、「負担増」は、消費税率を8%から10%へ引き上げた分の5兆7000億円と、軽減税率制度の財源を補うためのたばこ税増税などによる6000億円を合わせ計6兆3000億円となる。

 これに対し「負担減」は、19年度予算案に盛り込んだポイント還元などの景気対策が2兆円、住宅ローン減税の拡充などが3000億円、幼児教育無償化で家計が助かる分などが3兆2000億、軽減税率制度の実施の影響が1兆1000億円。合計額は6兆6000億円に達し、「負担増」をほぼ相殺できるとした。

 ただ、藤井氏はこの考え方について、「学術的には正当化できない」とする。

 藤井氏によると、政府がそれぞれの家計に直接「支給」する政策として、幼児教育無償化、ポイント還元などがあり、合計で3兆5000億円に上る。だが、家計が支給を受けても全てを使うことはあり得ず、一定額が必ず貯金に回る。その割合が半分程度であることは十分想定できるが、その場合には使われる額は1兆7500億円。つまり、政府が3兆5000億円の支出を行っても、1兆7500億円の経済効果しかないことになる。貯蓄に回される残り1兆7500億円分だけ、経済効果は政府の想定より下回ることになる。

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