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【日本語メモ】人間に「大量」は不適切 

 近年、世界各地でテロが発生し、大きな被害が出ています。紙面でも、関連する記事が頻出しています。不幸な出来事で犠牲者のいるニュースだけに、校閲部でも表現に対し気をつけなければいけません。

(1) 大量の難民が国境を越えて流入した。

 「大量」とは「量が多い」という意味です。「大量の原油が流出した」などの表現はよいのですが、「大量の難民」のように人間に対して使うのは不適切です。「多数の」あるいは「大勢の」に表現を直します。

(正解例)多数の難民が国境を越えて流入した。

(2) 多発テロの死者は早くも100人に達した。

 「達する」は「一定の数値に届く」場合に使います。また「物事を成し遂げる」という意味もあります。良い意味での目標を達成した場合や、美術展などで入場者数が1万人に到達した場合などに使われます。死者や負傷者、不明者の人数など良くない事柄に用いると違和感があります。ここでは「上った」と書き換えています。

(正解例)多発テロの死者は早くも100人に上った。

(3) 問題解決へ最善の道を追及する。

 「ツイキュウ」の同音異義語はいくつ? 「大辞林」では5つありました。主なものは3つ。「追及」は責任・欠点・原因を問いただすこと。「追求」は目的とするものを手に入れるため、追い求めること。例題は「解決策を探す」ということなので「追求」が正解。「追究」もよく使われますね。こちらは「学問や真理を深く考え極めること」を表します。

(正解例)問題解決へ最善の道を追求する。

(4) ボートが大型船の針路を横切ろうとした。

 「針路」は羅針盤などで決める船舶や航空機の進む方向のこと。あるいは「人生の針路」などのように比喩的に進む方向を表します。これに対して「進路」は、具体的に進んでいく道。受験生の「進路指導」がこれにあたりますね。ちなみに有名なヒチコック監督の映画「北北西に進路を取れ」の原題は「NORTH BY NORTHWEST」。本来「北北西」は「NORTH NORTHWEST」と表記するそうで「NORTH BY NORTHWEST」は存在しない方角なのだそうです。 

(正解例)ボートが大型船の進路を横切ろうとした。

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