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【朝鮮半島を読む】対日外交を放棄した文在寅政権

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昨年4月、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と握手をする韓国の文在寅大統領(右)=AP
昨年4月、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と握手をする韓国の文在寅大統領(右)=AP

 「もはや無効」-。よく、こんな玉虫色で完全防備された表現を思いついたものだ。日韓両政府が1965年に締結した日韓基本条約に盛り込まれた文言だが、日本の朝鮮半島統治を規定した日韓併合条約(10年締結)はもはや無効という趣旨だ。

 なぜこのように、いかようにも解釈できる曖昧な表現になったかというと、日韓両政府の主張が180度異なり、妥協の余地がない中で何とか国交正常化を実現するためだった。

 韓国政府は併合条約そのものが違法で、日本統治は初めから無効と訴え、一方、日本政府は合法的に条約が結ばれ、日本統治も合法的に行われたと主張していた。

 併合条約が「もはや無効」という表現は、日本の立場からすれば締結当時は合法だったが韓国政府が樹立したときに無効となったと解釈でき、韓国側からすれば締結当時から無効だったといえる。互いに都合良く解釈できる究極の玉虫色の文言が生み出されたのだ。

 これまでの日韓両政府は、こうした外交上の知恵を絞りながら、何とか局面を乗り越えようとしてきた。

■対日外交を重視してきた韓国

 東京大学で学んだ知日派の崔敬洛(チェ・ギョンナク)韓国国防大学院教授(当時)は共著「韓・日関係論」(85年刊行)の中で、対日外交の要諦をこう説いている。

 日本人には建前と本音があることを紹介した上で、「その『本音』を探し出す方法が『根回し』だ。すなわち交渉がうまく成立するためには、前もって相手方の話をよく聞き、その真意(本音)を探り出して懸案の問題を解決する過程が必ず必要だ。よって時間は掛かるものだ」。実際、日韓国交正常化には足かけ14年もの歳月を要した。

 くだんの対日外交本は三十余年前に韓国で出版されたものだが、当時、日本は米国に次ぎ、世界第2位の経済大国だった。

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