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【ビジネス解読】不祥事続き、GAFAが誕生しない日本の処方箋 渋沢栄一に学ぶ

 ■論語と算盤

 渋沢氏の思想を伝える著書に、論語と算盤(そろばん)がある。三村会頭はよく、現代社会や経済、企業経営に通じる、あるいは現代に欠けている渋沢氏の思想について口にする。「渋沢氏は、民間企業ががんばらないと国は発展しないということを身をもって実践した。論語と算盤にあるように、企業が利益を出すのは当たり前、公益を考えて社会にも貢献しなければいけない。私的な利益と公益とは必ず高次元で一致するものなんだと言っている」と、力を込める。

 一流企業の経営トップの逮捕や品質データの改竄(かいざん)、検査不正など相次ぐ不祥事が、日本経済を支えてきたモノづくりの信頼を揺るがしている。厚労省の基幹統計の不適切調査は、経済政策効果への影響も心配される。

 三村会頭は「一つ思うのは、経営トップが逮捕されたからではないが、渋沢氏の思想には現代的な価値があり、(だから)多くの人の共感を呼ぶのではないか。296もの会社、それも純然たる大企業に渋沢氏の思想が何らかの形で残り、日本の独特の資本主義を形作っている」と強調する。そして、「与えられた資源を最大限使って業績を向上させ、会社の将来の可能性をできるだけ広げるのが優れた経営者。私欲でなく、会社のため、社会のために尽くすということだ」と繰り返す。

 三村会頭は1月19日に開かれた東商創立140周年記念のセミナーで、渋沢氏の立ち上げた企業が平均120年という長寿の理由の一つとして、財閥と一線を画し、「ビジネスチャンスに対し、人材や資本、インフラ、株主を引き込んだ開放的な会社形態が役割を果たした」ことを挙げた。

 日本では、松下幸之助氏や本田宗一郎氏といった発明家ともいえる偉大な経営者、さらには社会課題や規制に挑んだ有能なベンチャー企業経営者が数多く生まれてきた。だが足元では、世界経済を牽引(けんいん)するガーファ(GAFA=グーグル、アップル、フェースブック、アマゾン・ドット・コムの頭文字)のような、デジタル系のプラットフォーマー(サービスやシステムを提供する事業者)が日本では生まれず、世界に後れを取っている現状がある。

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