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【酒呑み鉄子の世界鉄道旅】ユネスコ無形文化遺産にも登録。ビールに並ぶプルゼニュ名物は“人形劇”

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前回もお伝えしたように、かつて大きなユダヤ人コミュニティがあったため、ヨーロッパで2番目に大きいシナゴーグ(ユダヤ教会)があるプルゼニュの街。その前を路面電車がのんびり走る
前回もお伝えしたように、かつて大きなユダヤ人コミュニティがあったため、ヨーロッパで2番目に大きいシナゴーグ(ユダヤ教会)があるプルゼニュの街。その前を路面電車がのんびり走る

 【酒呑み鉄子の世界鉄道旅 ビールに溺れるチェコ国鉄の旅(4)】「日本人? それなら人形劇を鑑賞したらいいですよ」。

 プラハでもプルゼニュでも、私が日本人とわかると、酒場にいたおじさん達は嬉しそうにこう薦めた。人形劇って子どもじゃあるまいし。日本人はアニメが好きだから、マリオネットも喜ぶって意味かな。初めはそう思った。いま振り返ると浅学な我が身が恥ずかしい。 

 チェコの人形劇は歴史が長い。中世には娯楽として自然発生的に人形劇が生まれ、村々を上演して回る旅芸人のような人形劇一座や、スターとして名を馳せる人形遣いも登場した。裕福な家庭は、家族で人形劇を楽しむために、一家にひとつ人形劇専用のステージまで持っていたとか。思い思いに趣向を凝らした家庭用のそれは、チェコらしい文化と伝統をベースに華やかに発展してきた。

 そんな娯楽だった人形劇が持つ意味を変えたのが、チェコと周辺諸国との歴史だった。

(写真・文/トラベルジャーナリスト 江藤詩文、取材協力:チェコ政府観光局-チェコツーリズムレイルヨーロッパ

旧市街にある「マリオネット博物館」。プルゼニュ出身のヨゼフ・スクーパやイジー・トルンカの作品が数多く展示されている。時代を追って変化するマリオネットの展示のほか、自動で動くマリオネットを見られる舞台もある
旧市街にある「マリオネット博物館」。プルゼニュ出身のヨゼフ・スクーパやイジー・トルンカの作品が数多く展示されている。時代を追って変化するマリオネットの展示のほか、自動で動くマリオネットを見られる舞台もある

 チェコには、長年にわたってドイツやオーストラリアといった隣国に支配されてきた歴史がある。特にドイツの支配下では、公共の場でのチェコ語の使用が禁止され、ドイツ語への変更を余儀なくされた。そんな時代に、人形劇だけは唯一チェコ語の使用が認められた。人形劇は、チェコの人々にとってアイデンティティであり、自国の文化を守り継承する手段でもあったのだ。

 そのため人形劇では、チェコ独自のストーリーが数多く生まれ、チェコ語特有の言い回しを使った台詞も使われた。人形劇の鑑賞は、大人にとっても意義のあることで、私のような旅行者には、チェコの歴史と文化の一部を理解する手助けとなってくれるというわけ。

チェコ生まれのユーモラスなキャラクター「シュペイブルとフルヴィーネク」は、専用のコーナーが設けられるほど人気。テレビ番組にもなった国民的なアイドルのこの親子が、初めて上演されたのはプルゼニュの劇場だった
チェコ生まれのユーモラスなキャラクター「シュペイブルとフルヴィーネク」は、専用のコーナーが設けられるほど人気。テレビ番組にもなった国民的なアイドルのこの親子が、初めて上演されたのはプルゼニュの劇場だった

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