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【スポーツ異聞】花園準V桐蔭学園ラグビー部を支えた「勝つ思考」

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大阪桐蔭-桐蔭学園 前半、突進する桐蔭学園の鈴木。そのままトライを決める(花園ラグビー場)
大阪桐蔭-桐蔭学園 前半、突進する桐蔭学園の鈴木。そのままトライを決める(花園ラグビー場)

 東大阪市の花園ラグビー場で今月7日に行われた全国高校ラグビー大会決勝は、大阪桐蔭(大阪第1)が桐蔭学園(神奈川)を26-24で破り、初優勝を遂げた。初の単独優勝を逃し、涙を流した桐蔭学園の選手たちは、それでも宿舎に戻ると「自分たちのベストゲームだった」と健闘をたたえ合ったという。今年度の目標は「試合をやりながら強くなっていく」。決勝進出を果たした裏には、独自のメンタルトレーニングで身につけた「勝つ思考」がある。

 桐蔭学園ラグビー部は月に1回、慶応大スポーツ医学センター研究員でスポーツ心理学博士の布施努氏による指導を受けている。元球児で元商社マンという異色の経歴を持つ布施氏は、14年間住友商事で働きながら「人づくり(人材育成)」に興味を抱き、再びスポーツの世界に携わることを念頭に渡米。大学院でスポーツ心理学を専攻し、チームづくりなどを学んできた。

 高校ラグビーの世界は、全国屈指の強豪がひしめく関西と福岡県の選手の体が大きく、層も厚い。桐蔭学園は例年、全体的に小柄な傾向があり、「勝つためには、ボールをどんどん動かさなければいけない」という理念がチームにはある。

 布施氏は「自らの役割を、選手自身が瞬時に判断する必要がある」と指摘し、「選手の状況判断能力を高める」ことに勝機を見いだした。

 独自のメンタルトレーニングではまず、自身のプレーの特徴や試合に臨む思いを言葉にし、仲間と共有する。その後、全員で勝利するために必要なプレーの仮説を立て、実行し、検証-ということを繰り返した。

 さらに試合では「最高目標」と同時に「最低目標」を決めて臨む。

 「たくさん点を取る」といった最高目標だけを立てていると、できなかったときに不安感に襲われ、パフォーマンスは悪化の一途をたどる。

 「声を出す」「どんなにミスをしてもボールをもらいにいく」など、確実に実行可能な最低目標を立てておくことで、「チーム全体が前向きになり、誰かが大きなミスをしても、途中であきらめることはない」と布施氏は指摘する。

 この意識が生きたのが、全国大会準決勝の東福岡戦だった。前半を24-17で折り返しながら、後半立て続けにトライを奪われ、24-31と逆転された。それでもフッカー紀伊遼平(3年)は「想定内。切り替えようとスムーズにできた」と振り返る。そして、力強い縦へのアタックに横への展開をからめて再逆転した。

 頂点には届かなかったが、布施氏は「トレーニングで身につけたスキルは、今後のラグビー人生やビジネスの世界でも必ず生きる」と伝えている。そして「勝つ思考」は今後も部を支える。(運動部 西沢綾里)

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