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女性の胸元 「寄せて上げる」から「小胸にミニマイズ」へ

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セシールの「さらしみたいなブラ」。ふくらみをおさえ、胸に「谷間」を作らない
セシールの「さらしみたいなブラ」。ふくらみをおさえ、胸に「谷間」を作らない

 胸元をコンパクトに見せるための下着が注目されている。平成の始まりは、胸を大きく見せる「寄せて上げる」下着が主流だったが、今や大きな胸は、おしゃれの邪魔との声も。女性の就業率の上昇に伴い、理にかなった変化だという指摘もある。

髪で隠す

 東京都港区の会社員、わかこさん(47)=仮名=は、ロングの髪先を必ず体の前に流すようにしている。胸を覆い隠すためだ。わかこさんの胸は、ブラジャーのサイズでいうと「Hカップ」。取引相手がチラチラ見てきたり、飲み会の席でからかわれたり…といったハラスメントの経験もある。

 「胸が相手に余計なことを思わせるのが嫌でした」。パッド(形を保つための詰め物)を抜いてブラの厚みを抑えたり、大きめのシャツを着たり…と胸が小さく見える工夫を重ねてきた。

 そんななか、下着店で「大きな胸を小さく見せる」といううたい文句のブラと出合ったのが数年前。「画期的だ」と購入して以来、愛用し続けているという。

 下着大手のワコールは平成22年、「CuCute(キュキュート)」と名付けたブラを発売。「豊かなバストをコンパクトに見せる」とうたった。27年にはセシールが「さらしみたいなブラ」を出し、「さらしを巻いたようにしっかりボリュームダウンできる」とした。

 ともに一般的なブラと違い、胸に2つの山を作らず、胸を平たくし、高さやボリュームをおさえるのが特徴だ。

 どちらも売り上げは堅調で、「今後さらに伸びるとみている」(ワコール広報・宣伝部)。セシールは4月に「さらしみたいなブラ」の種類を増やす。

女性デザイナーの台頭

 こうした女性の“胸元改革”について「近年、影響力を持つデザイナーに女性が増えたことが大きい」と指摘するのは、ファッション誌「Numero TOKYO(ヌメロ トウキョウ)」の田中杏子(あこ)編集長だ。

 田中編集長によれば、ファッションの世界では1990年代後半以降、ステラ・マッカートニーさんやフィービー・ファイロさんといった女性デザイナーが活躍している。デザインの傾向は、女性がゆったりと楽に着られるシルエットに変わった。男性デザイナーたちが打ち出してきた、腰がくびれ、胸の谷間をきれいに見せるグラマラスな洋服とは一線を画す。

 「これら女性デザイナーによるモダンなデザインの洋服は、胸をミニマイズ(小さく)したほうが格好良く着られる」と田中編集長。田中編集長自身もここ数年「胸のミニマイズ」を試行錯誤してきた一人で、胸元をコンパクトに見せるワコールのブラの商品企画に参加したこともある。

働く女性

 田中編集長はまた、ブラの傾向の変化には「女性の社会進出」も影響していると指摘する。

 バブル崩壊後の4年に共働き世帯数と専業主婦世帯数が初めて逆転し、7年以降は共働き世帯数が上回っている。昨年8月以降、15~64歳の女性の就業率は7割に達するなど、仕事を持つ女性は確実に増えた。一方で、職場では、ハラスメントが課題に浮上している。「男性と同僚として働く中で、胸が目立たないようするのは、理にかなった服のあり方」と田中編集長は話している。(文化部 津川綾子)

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