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【日本語メモ】放置されていた「なおざり」

 編集局の一角で、もくもくと画面の原稿を読み込む集団。それが産経編集センター大阪校閲部です。日々、紙面上のミスを防ぐため、記事や見出しをチェックしています。正誤の基準となるのは、新聞の用字用語の使い方をまとめた「産経ハンドブック」。東京校閲部と隔週交代で受け持つこの連載では、日頃うっかり使ってしまいそうな熟語や言い回しの誤用などを紹介。問題文のあと、ハンドブックや辞典に沿ったわかりやすい解説とともに正解例を示します。

(1)組織固めが佳境に入る。

最初は「佳境」。「佳境に入る・佳境を迎える」は小説や物語などの最も興味深い、面白い場面になること。「佳」は「他に比べてよい」「美しい」などの意味を持つので、単なるヤマ場を表現する際には使いません。よって、この場合は「大詰め」と直しています。

(正解例) 組織固めが大詰めに入る。

(2)支持団体の影響で、改定がおざなりにされてきた。

「なおざり」と「おざなり」。よく似ていますが、意味は違います。「なおざり」は「すべきことをせず、おろそかにする」。「おざなり」は「その場逃れ」「一時しのぎ」のことです。漢字で書くと「御座成り」。例文では「改善が放置されていた」ということなので、「なおざり」が正解です。

(正解例) 支持団体の影響で、改定がなおざりにされてきた。

(3)法案の成立に、暗雲が立ち込めている。

「立ち込める」は霧・霞・煙・異臭が一面をおおうこと。「垂れ込める」は、雲などが低くおおう様。「暗雲」は「不穏な気配」。「低い」イメージで「垂れ」を連想して、覚えるとよいかもしれません。

(正解例) 法案の成立に、暗雲が垂れ込めている。

(4)試練に屈しない生きざまを体現した。

そもそも「生きざま」は、「死にざま」という語からの類推でできた言葉とされ、語感の悪さから不快に思う人も。できるだけ使わないようにしています。例文では「人生」と書き換えています。ただ、近頃は年配の方でも「生きざま」を使うケースがあり、談話記事ではそのまま掲載することがあります。

(正解例) 不屈の人生を体現した。

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