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【経済インサイド】アセアンの優秀な学生を確保 インターンで就職喚起が奏功

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高見沢サイバネティックス長野第三工場で日本のものづくりを学ぶタイの大学生
高見沢サイバネティックス長野第三工場で日本のものづくりを学ぶタイの大学生

 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の産業人材を育成する国のプログラムに注目が集まっている。進出した日系企業が協力し、現地大学に寄付講座を開設しインターンシップ(就業体験)などを通じ進出先への就職意欲を喚起したり、現地での新たな事業展開のきっかけにする企業が増えている。生産年齢人口の減少による構造的な人手不足に直面する日本企業は、改正出入国管理法の新在留資格が外国人受け入れの拡大につながると期待する一方、自ら海外に高度人材獲得の橋頭堡(きょうとうほ)づくりを始めている。

 ■現地進出へ好感触

 駅のホームドアや券売機などの機器を手掛ける高見沢サイバネティックスの長野第三工場(長野県佐久市)に今夏、日本のものづくりを学ぶタイの泰日工業大から学生2人がやってきた。

 精密機械組み立てに挑んだ2人は、細かいハンダ付けに苦労し、ドライバーを使ったねじ締めでは強く締めすぎてねじを壊してしまった。日本は初めてというガンさん(22)は「ねじの締め方で『ちょうどいい』があるのを知った。『失敗はダメ』を覚えた。経験は役立つ」と話した。父親が日本人というリュウジ(22)さんは「作業は難しかったけど楽しかった。日本でのインターンを後輩に薦める」と笑った。

 2人ともおおらかな性格で、日常的に使われる日本語を理解できるため現場にすぐに慣れたという。外国人大学生を受け入れるのは初めてで「言葉と文化の壁が不安だった。伝わらないもどかしさもあったが、仕事は熱心で自主性もある」(ものづくり本部生産技術部の森泉龍一部長)ことが分かり、外国人と働くことへの認識が変わった。1カ月半にわたり2人を見てきた花岡伸一取締役ものづくり本部長は「きちんと教育すればできる。人材確保のチャンス」と来年以降を見据える。

 報告を聞いた高見沢和夫社長は「市場として魅力的な東南アジアを攻めるには現地カルチャーを知る必要がある。今回のインターン実施の意味もそこにあり、ハッピー・ハッピーの関係をつくれる」と現地進出への感触をつかめたという。工場を建てるのか、現地企業と提携するのか戦略を前向きに考える。

 アセアン域内大学への寄付講座開設は、安倍晋三首相が2015年11月にマレーシア・クアラルンプールで開催された「アセアンビジネス投資サミット」で行ったスピーチがきっかけ。3年間で4万人の人材育成を支援する産業人材育成構想を発表、政府は日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)に対し16年度からの3年間で25億円の予算拠出を決めた。

 AMEICCはそのうち20億円を、途上国の産業人材の育成に豊富な経験とネットワークもつ海外産業人材育成協会(AOTS)に委託。寄付講座などを通じ日本企業が求める人材育成を任せた。

 AOTSの名越吉太郎AMEICC事務局支援業務部長は「現地日系企業への就職が第一義。インターンなどで日本のものづくりのやり方や考え方を教える」という。現地トップクラスの大学が参加しており、優秀な学生の確保につながる確率は高い。

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