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【三井美奈の国際情報ファイル】2019年、EUは瓦解の年? ポピュリズムが崩す安定

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 ドイツが本音を隠さなくなった背景には、ポピュリズム(大衆迎合主義)に押され、政権の安定が揺らいだことがある。昨年の連邦下院選では、移民嫌いの「ドイツのための選択肢(AfD)」が第3党に躍進。メルケル首相の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)、社会民主党(SPD)の保革両翼は計100以上議席を減らし、連立妥結までに半年近くかかった。

 AfDを警戒したドイツ有権者は、「緑の党」などほかの少数政党に投票。その結果、連邦、州議会とも6~7政党がせめぎ合う小党分立に陥った。「EUの理想」を掲げていては選挙にも勝てなくなった。

 独仏両輪に代わり、EUで新たなダイナミズムが生まれるなら希望はある。問題はドイツに限らず、どの国でも小党分立に歯止めがかからないこと。議会で安定多数を確保できる勢力がなくなり、欧州統合どころか国内統合に苦慮しているのが現実だ。

 ベルギーでは12月、中道右派の連立第一党が移民政策をめぐって政権を離脱しミシェル首相が辞任を表明した。スウェーデンは9月の総選挙で「反移民」の極右が第3党に躍進。保革双方の交渉がもつれ、組閣は越年が決まった。スペインでは6月、保守派の少数政権が国会で不信任を突きつけられて崩壊。後継の中道左派政権は、保有議席が下院定数の4分の1に満たない。

 EUの大国で唯一元気なのは、イタリアのポピュリズム政権。約60%の支持率を誇る。サルビーニ副首相兼内相は、天敵のマクロン大統領が「黄色いベスト」デモでピンチに陥ると、「もう俺の敵ではない。彼は仏国民の厄介者」と高笑いした。最後に残るのは、ポピュリストなのか。不気味な予言である。

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