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【三井美奈の国際情報ファイル】2019年、EUは瓦解の年? ポピュリズムが崩す安定

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 2018年末のパリ。凱旋門(がいせんもん)近くで開かれた経済シンポジウムで、緊張が走った。

 「通貨ユーロは南北に分割すべき。イタリアやギリシャにはうんざりだ。フランスも、甘えるのはいい加減にして欲しい」

 発言の主はベルリン工科大のマルクス・ケルバー教授。ユーロを揺さぶる債務国にフランスを加え、苛立ちをあらわにした。教授は独仏両国で教鞭をとるフランス通だけに、会場にいた仏紙記者は「ドイツは、もはや対仏不信を隠そうともしない」と衝撃を語った。

 この正月でユーロは発足から20年。通貨統合を主導した独仏はいま、結束が揺らいでいる。

 ドイツは「ナチスの反省」から、フランスのわがままにつきあってきたが、もはや両国の「実力格差」は覆うべくもない。仏輸出額は、ドイツの半分以下。ドイツが人手不足に悩む中、フランスは9%の高失業率と巨額債務にあえぐ。

 英国のEU離脱を前に、マクロン仏大統領はEU改革を提唱する。かけ声先行のフランスに、ドイツは「まず足元を固めてはどうか」と懐疑の目を向ける。

 18年11月、ショルツ独財務相が「フランスは、国連安全保障理事会の常任理事国の座をEUに渡せ」と訴え、仏政府の度肝を抜いた。マクロン大統領が「米中露に対抗できる欧州軍の創設を」と一方的に提案したので、「EU外交を目指すなら、まずフランスの特権を共有化せよ」と迫ったのだ。仏政府が12月、「黄色いベスト」デモに押されてEU規律を度外視した国民支援策を発表すると、ドイツ連邦銀行のワイトマン総裁は「規律は守るべき」とたしなめた。

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