PR

ニュース プレミアム

【「30歳」が語る平成】作家・朝井リョウさん 物差しのない時代 意味や価値求め

Messenger

 《平成21年、『桐島、部活やめるってよ』でデビュー。高校バレー部の主将が退部したことで、同級生に起きた心の変化を鮮やかに描き、映画化もされた》

 「物語というよりも、資料として読まれた感覚が強いです。スクールカースト(学校内の序列)の描写によく言及していただきましたが、当時の高校生を書くに当たって、教室内の人間関係や階層に触れないのは不自然だっただけ。それが、世代を知る文献のように受け止められました」

 《25年、『何者』で直木賞受賞。平成生まれで初の直木賞作家になった》

 「『何者』は大学生の就職活動を描いたので、SNSの登場は自然なことでした。そこが注目されたことは意外でした。何を書いても、小説の内容よりも“時代を映す感性”と言われ、それは若いというだけかと複雑な気持ちでした。最近ようやく自分は幸運な席にいたと気づきましたが」

 《『死にがいを-』では主要人物が学校でテスト順位の掲出を訴え、大学では自治存続運動に熱中、やがてカルト集団にのめりこんでいく》

 「その人物は自分の存在を実感するためだけに生きる場所を転々と変える。有事でこそ輝く人。この世代は、人生に意味や価値を強く求めている感覚があります。私の中にも、生きがいや生産性がなければ、という強迫観念のようなものが根強くあります」「でも、もっと下の世代の子たちは(比べることなく)、他人が自分より幸せなのは当然という感覚が強い気がしています。あの人が幸せ? そりゃそうじゃん、と。そういう子たちが自然に書いたことに、私がびっくりする。そんな小説がもうすぐ出てくるはず、と思っています」

(横山由紀子)

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ