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【国際情勢分析】インド太平洋戦略の盲点 ASEANのニーズ見極めを

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 「『米国と中国のどちらかを選べ』といわれて、一方を切り捨てることはできない」

 米中覇権争いが軍事、外交、経済のあらゆる側面で進む中、あるアジアの学者は米国と中国の板挟みにあう東南アジア諸国連合(ASEAN)の状況をこう指摘する。ASEAN地域は、中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」と、米国が日本などとともに進める「インド太平洋構想」の双方に含まれている。

 中国は一帯一路で、インフラ整備支援などを通して各国への影響力を高め、軍事拠点も整備して軍隊の活動範囲を着々と広げている。一方、中国の覇権拡大に対抗する形となる米国のインド太平洋構想は、平和や主権国家の繁栄を促進し自由で開かれた地域を目指している。

 もちろん米国が日本と進めるインド太平洋構想は、共産党一党独裁の中国と違い、各国の持続的な成長を支援するもので、安全保障の協力も各国の主権を尊重し紛争や摩擦を減らすことに主眼を置いている。

 米国のペンス副大統領は2018年10月の講演で「中国は米国を西太平洋から追い出し、米国が同盟国の支援に来ることを阻止しようとしている」と指摘。11月に開かれたASEANが中心メンバーの東アジア首脳会議では「南シナ海で軍事拠点化を進めるのは違法だ」と中国の姿勢を公然と批判した。

 米国のこうした発言は、中国の脅威にさらされる日本やその他の同盟国には強く響くが、ASEANにとっては複雑な事情もある。

 ASEAN各国にとって中国との貿易関係は重要で、関係悪化は自国経済にダメージを与えかねない。そして中国は同じ東アジアの隣国でもある。米中が取り込みを図りたいASEANにとって双方の構想は、「米国」と「中国」の二者択一を迫る形となり、同地域が求める「ASEANの中心的役割」を軽視したものにも見える。

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