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【経済インサイド】高くついた妊婦加算凍結 社会保障改革で医師会に大きな借りか

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妊婦加算の見直しを求めた自民党の小泉進次郎厚生労働部会長(左から2人目)=13日午前、東京・永田町の党本部
妊婦加算の見直しを求めた自民党の小泉進次郎厚生労働部会長(左から2人目)=13日午前、東京・永田町の党本部

 「今回のようなことは名称を含めて誤解を招いた。そういうことがないような(診療報酬の)点数設定をしてほしい」-。平成31年度予算案の閣議決定を目前に控えた12月19日夕、東京・本駒込の日本医師会(日医)本部で記者会見した横倉義武会長は、妊婦が医療機関を外来で受診した際に請求される「妊婦加算」が凍結されたことに苦言を呈し、今後の見直しに注文を付けた。この日の午前、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)で妊婦加算の凍結が了承されたが、日医としては渋々受け入れた格好だった。

 ■“小泉発言”で社会問題化

 妊婦加算は、妊婦の外来の受診に当たり、胎児への影響を考慮した薬を処方するなど「丁寧な診療への評価」を目的として、今年4月の診療報酬改定で導入された。問診で「妊娠中」と答えるなどした女性が対象で、妊婦が外来を受診すると、初診で750円、再診で380円が上乗せされて医療機関に支払われる。妊婦の窓口負担(原則3割)は初診で225円、再診で114円増える。深夜や休日、診療時間外はさらに上乗せされる。通常の妊婦健診では加算されない。

 ところが、周知不足で制度自体を知らない女性も少なくなく、9月ごろからインターネットを中心に「妊婦税だ」「少子化対策に逆行する」などと不満を訴える声が続出。運用面でも、投薬を伴わないコンタクトレンズの処方といった妊娠と直接関係のない場合や、診察後の会計の際に妊娠していることが分かって加算されたケースなどに批判が集中した。

 問題が永田町にまで波及してきたのは予算編成が本格化した11月以降だ。同月29日の自民党厚労部会で、小泉進次郎部会長は「このまま放置するわけにはいかない」と厚労省に対応を要請。発信力の高い小泉氏の発言の影響もあり、マスコミで連日取り上げられ、一気に社会問題化した。

 ■高い代償

 医療界としては、妊婦の診察には一定のリスクがあり、産婦人科以外では診察を避ける医療機関が出ていることを踏まえ、妊婦加算の導入により妊婦診察のモチベーションづくりにつなげる狙いがあったが、そうした真の目的は十分に理解されないまま、事実上の廃止へと話は一気に進んだ。厚労省は運用の厳格化で乗り切ろうと調整に動いたものの沈静化せず、安倍晋三首相まで事態打開に乗り出すことに発展した。安倍首相は12月13日にタイ・バンコク出張中の横倉会長に電話を入れ、何とか凍結の了解を取ったのだった。

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