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【酒呑み鉄子の世界鉄道旅】飲食店なのに扉に鍵? ビーサンに砂? 旧東ドイツ的おもしろ過ぎる料理店

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 【酒呑み鉄子の世界鉄道旅 地酒を飲みまくるドイツ鉄道の旅(6)】えぇと……。時間なのに予約したレストランのドアが開かないのですが。前後してやって来た米・カリフォルニアの自称ゲイカップルと、思わず顔を見合わせた。ここはドイツの首都ベルリン。目立たない場所にある小さな呼び鈴を押すと、3度目にしてようやく扉が開いた。その瞬間から抱きしめんばかりの熱烈歓迎ぶり。評判を聞き、物見遊山で予約せずやってくる客に、邪魔されないための方策らしい。世界中から“フーディー”と呼ばれる食べ歩き好きを集めるレストランなのに、そんなのアリか……。(写真・文/トラベルジャーナリスト 江藤詩文、取材協力:ドイツ観光局レイルヨーロッパ

「ノーブルハート&シュムツィヒ」は、中央にある広々としたオープンキッチンを、カウンターの28席が取り囲む「劇場型」と呼ばれるスタイル
「ノーブルハート&シュムツィヒ」は、中央にある広々としたオープンキッチンを、カウンターの28席が取り囲む「劇場型」と呼ばれるスタイル

 それがいま、ベルリンで独自の路線を切り開いたと言われる「Nobelhart&Schmutzig(ノーブルハート&シュムツィヒ)」だ。料理のコンセプトは「地産地消」。そう聞くと日本ではありふれていると思うかもしれないが、日本を含めアジアのように温暖な気候で、土と水に恵まれ、豊かな食材を手に入れられるならさておき、寒冷なベルリンとその近郊の産物だけで、高級レストランにふさわしい創造性に溢れた料理を生み出すのは、実はかなり難しい。

 特に南ヨーロッパを象徴するオリーブオイルやレモンなどの柑橘類、東南アジアから運ばれた歴史を持つ胡椒を始めとするスパイスは、一切使用しない。柑橘類のフルーティな酸味が必要なら、ベルリン近郊で、オーガニックで育てたりんご酢を使うといった具合だ。

 

料理はおまかせのコースのみで、15皿くらいの少量多皿で構成されている。野菜やハーブが意外と豊富で、ベルリンの新しい魅力を発見できる
料理はおまかせのコースのみで、15皿くらいの少量多皿で構成されている。野菜やハーブが意外と豊富で、ベルリンの新しい魅力を発見できる

 かつて壁に囲まれていたベルリンは、周辺からものを自由に運び込むことも、東西の料理人同士が交流することも難しかった歴史がある。壁が崩壊して来年で30周年。この間にベルリンは国内外からカルチャーを吸収し、食文化も飛躍的に発展したという。

 「東西という不自然な分断が完全に融合されたいま、ベルリンに住む人が、ベルリンでとれる食材を食べるのは、むしろ自然なこと」とシェフ。イタリア料理やフランス料理を基礎とするヨーロッパの長い歴史から一度切り離された“東的フードシーン”だからこそ、従来の常識にとらわれない自由な発想を得られたそうだ。

「ベルリンの食べ物はカレーソーセージとドネルケバブじゃない!」と叫ぶオーナーのビリーさん(左)と、そんなオーナーを優しく受け止めるシェフ、ミーヒャさん
「ベルリンの食べ物はカレーソーセージとドネルケバブじゃない!」と叫ぶオーナーのビリーさん(左)と、そんなオーナーを優しく受け止めるシェフ、ミーヒャさん

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