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【経済インサイド】マツダ「ロードスター」が30周年へ 小型スポーツカーを守り続ける理由

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 ■迫る電動化の波

 電動化など次世代技術への対応も迫られている。マツダが10月、二酸化炭素(CO2)排出量削減と走りの進化の両立に向けた技術戦略を発表したからだ。この中で2030年の生産車両のうち、5%を電気自動車(EV)、95%を電動化技術を搭載した内燃機関車とする方針を示した。

 初代から一貫して企画や開発に携わってきた商品本部の山口宗則プロジェクトマネージャーは「楽しい走りを表現するためには軽さが必要だが、モーターや電池などを積むと1トンに抑えることが難しくなる」と複雑な胸の内を明かしながらも「電動化はやらなければいけない」と前を向く。

 中山氏も「電動化しても楽しい要素は残したい。そこはエンジニアの力で解決していく」と意気込んだ。

 一方で、人を運転や車の所有から「解放」する取り組みもスポーツカー市場に影を落とす。トヨタ自動車は11月、月額定額制で複数の車種に乗れるサービスを来年始めると発表した。将来は自動運転技術を活用した移動サービスの巨大市場が生まれる可能性も高く、「人に喜びを与える車本来の役割が忘れ去られてしまう」(大手自動車メーカー関係者)といった懸念の声も聞こえてくる。

 ■再興の兆し

 ただ、スポーツカー再興の火が消えたわけではない。独BMWの日本法人、ビー・エム・ダブリューは11月、後輪駆動の2ドア車「8シリーズ クーペ」の販売を始めた。約20年ぶりに復活した高級車で、同社のペーター・クロンシュナーブル社長は「スポーツカー市場は活況を取り戻しつつある。今後の成長の可能性はある」と述べた。

 独ポルシェも同社初のEV「タイカン」を来年に欧州、2020(平成32)年には日本に投入する予定。トヨタも平成14年に生産を中止した「スープラ」の復活を決め、BMWと共同開発し来年前半から世界各国で発売する計画だ。各社からは、スポーツカーをメーカーの存在意義や技術力を伝える広告塔とする意図も読み取れる。

 世界市場でのシェアが2%程度にとどまるマツダは「独自性や強みを持たないと埋没してしまう」(丸本明社長)との危機感から、得意のエンジン技術や独創的なデザインなどを磨いた「新世代商品群」を来年から順次投入しブランド力を強化したい考えだ。その一翼を担うロードスターは、“車との対話”を楽しむ需要を喚起し続ける使命も背負っている。(経済本部 臼井慎太郎)

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