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【赤字のお仕事】「手の内」「手ぐすね」…ルーツは同じ武道です

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 NHK総合テレビで日曜深夜に放送されているアニメ「ツルネ-風舞高校弓道部-」が面白い。初めはどこかぎこちない関係の男子高校生たちが、弓道を通してかけがえのない経験をし、仲間を手に入れていく姿を描く青春ストーリーです。

 題名の「ツルネ」は「弦音」と書き、矢を放ったときに弦が弓を打つことで鳴る音のことをいいます。天候や射手の心理状態の影響を受けやすいため、同じ人が同じ弓を使って矢を放っても常に同じ音がするとは限らず、美しい弦音を響かせることは射手にとっての喜びであり、目標なのだそうです。

 弓道は大学の体育の授業で履修したことがありますが、他の競技に比べて楽そうだという軟弱な理由で選択したにすぎません。アニメでは弓で矢を射る一連の動作や試合風景など、弓道の世界が精緻な絵で丁寧に描写されていて、あまりなじみのない私にとって非常に興味深いものがあります。

 さて、アニメの中で弓道部の初老の顧問が、入部希望の生徒たちに弓に関する言い回しを尋ねる場面があります。顧問は一例として「手の内を明かす」を挙げ、弓の持ち方が秘伝であったことからきていると説明します。

 恥ずかしながら、「手の内を明かす」が弓道に由来するとは知りませんでした。

 一般的に「手の内」とは、「握った手の中。また、てのひら」(三省堂『大辞林 第三版』)をいいます。つまり、げんこつの中のことですね。

 ところが弓道の「手の内」とは、簡単にいえば「左手で弓を握る方法のこと」(全日本弓道連盟のホームページから)をいうのですが、これによって射(しゃ)の良しあしが決まるほど重要なため、各流派で門外不出とされてきたそうです。

 そこから「手の内」に「腕前。手並み」「心の中で考え、計画していること」(いずれも小学館『デジタル大辞泉』)の意味が生じ、自分の持っている技術や大切な情報を人に示すことを「手の内を明かす」というようになったのでしょう。

 ちなみに剣道でも、竹刀を持って操作するときの両手首、両手の指の最も効率的な動きを「手の内」といいますが、弓道の意味の方がぴったりくる気がします。

 他にも、普段使われている言葉で弓に関係するものがあります。

 例えば「手ぐすね引く」です。手ぐすねの「くすね」は「薬練」や「薬煉」と書き、松やにを油で煮て練り込んだものをいいます。粘着力が強く、弓の弦に塗って補強するのに用います。

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