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【経済インサイド】国債消化で日本に“指南”求める 貿易戦争で苦しい中国 財政政策拡大か

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財務対話の写真撮影を終え、握手を交わす中国の劉昆財政相(中央右)と麻生財務相(同左)=8月31日、北京の釣魚台迎賓館(共同)
財務対話の写真撮影を終え、握手を交わす中国の劉昆財政相(中央右)と麻生財務相(同左)=8月31日、北京の釣魚台迎賓館(共同)

 米国との間で激しくなっている貿易摩擦の影響で、中国経済の減速傾向が強まっている。10月19日に発表された2018年7~9月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比6・5%増となり、約9年半ぶりの低水準に。国内景気を下支えするため、習近平政権は財政政策を重視し始めた。そんな中、中国当局があることについての“指南”を、日本の財務当局に求めてきたという。内容は「どうすれば低金利のまま国債をたくさん発行できるのか」というものだった。

 ■減速する中国経済

 中国の7~9月期の実質GDP成長率は、4~6月期の6・7%から0・2ポイント鈍化した。1~9月期の個別の経済指標の前年同期比増加率を1~6月期と比べると、固定資産投資が5・4%で6・0%から0・6ポイント減速。小売売上高は9・3%で9・4%から0・1ポイント、輸出は12・2%で12・8%から0・6ポイント、工業生産は6・4%で6・7%から0・3ポイント、それぞれ減っている。

 今年に入り、習政権は経済の担い手である地方政府や企業の債務を削減するため、正規の融資でない「影の銀行」を通じた貸し出しを締め付け始めていた。このため、地方政府や企業の体力が弱っていた上に、米国との「貿易戦争」が追い打ちをかけ、中国の経済減速の度合いを強めた。

 そんな中、日本の財務当局関係者を驚かせる出来事が起きた。今年8月31日、北京市の釣魚台迎賓館で開かれた日中財務対話。「日本は国債をどう管理しているのか」。両国政府の財政・金融担当者が一堂に会したこの場で、中国側が日本側にこう尋ねたのだ。

 日本の国・地方の長期債務残高の対GDP比は198%へ達し、先進国でもずば抜けて高い。しかし、長期金利の指標となる新発10年国債の利回りは0・1%程度という低さで推移し、市場は全く混乱も起きていない。中国側は、日本がなぜ低金利で国債を発行し続けられるのか、その理由を知りたがったのだ。

 「一つは、日銀が金融緩和政策で(金利を押さえ込む)『イールドカーブ・コントロール』を続けていることが大きい。もう一つは、日本が(民間部門の資金が余る)『貯蓄超過』で、金融機関が預貯金を原資に国債を買い支えることができているからだ」

 日本側の出席者はこう説明し、さらに付け加えた。

 「ただ、同じ状況がずっと続くかは分からない。今後、高齢化が進めば(貯金の取り崩しなどで)貯蓄超過は減る。そうなると、国債の消化は、国内でなく海外の投資家に求めざるをえなくなる。(運用成績を重視する)海外投資家は、より高い金利を求めてくるかもしれない。また、政府の財政健全化努力に対し、市場の信認があることも大きい。疑いを持たれたら、状況は変わる」

 「そうですか」とだけ、中国側の出席者は答えたという。だが、同席した財務省幹部の一人は、「中国当局は自国の経済を楽観していないな」と感じた。日本を参考に、国債発行を増やして財政政策を加速し、景気を浮揚させる-。中国側の念頭には、こうしたシナリオが浮かんでいる可能性が高い。

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