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【関西の力】食・生かす(1)サントリー『伊右衛門』秘話 京の茶の老舗、200年の暖簾かけ決断

ペットボトル緑茶の市場推移
ペットボトル緑茶の市場推移
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若者のお茶離れ

 福寿園の福井正憲会長(当時社長)は悩んでいた。平成14年、サントリーから投げかけられた共同開発の話。社内では「知名度が上がる」と好意的な意見が多数を占めた。しかし、福井会長は「老舗のブランド力を消耗してしまう」。嗜好(しこう)品の世界ではどこででも手に入るということは、かえってマイナスに働くと考えたからだ。

 一方で、若い世代を中心に、急須を使うことも手間に思う人が増えていたことも感じていた。従来通りの茶葉の販売で事業が長続きする保証はない。実際、総務省の家計調査では、2人以上の世帯で緑茶の茶葉に対する年間の平均支出は、12年の6820円から16年は5536円と、下降傾向が続いていた。

 サントリーにも事情があった。当時、ペットボトル入りの緑茶飲料は頭打ち状態。そこで求めたのは本物だった。「急須でいれた緑茶のおいしさを追求したかった」。伊右衛門の開発を手掛けたサントリー食品インターナショナルの沖中直人執行役員は振り返る。

 沖中氏は「福寿園の200年以上の暖簾(のれん)を汚すことはできないという不退転の決意だった」。本物に最大限の敬意を示すため、加熱で殺菌しなくてもよい充填(じゅうてん)方法を編み出し、緑茶のみずみずしい味わいを保つことに成功した。

 沖中氏は数回にわたって「御社しか組めるところはない」と説得。福井会長は創業者の名前がついた商品の共同開発を決断した。

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