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【正論12月号】特集・弾圧国家の恐怖 第2次冷戦が始まった 「悪の帝国」中国とペンス・ドクトリン 国家基本問題研究所主任研究員・湯浅博

10月4日、ワシントンで演説するペンス副大統領(AP)
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※この記事は、月刊「正論12月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

■ペンス・ドクトリンの覚悟

 米ソ冷戦の到来がそうだったように、米中冷戦も時間をかけてジワジワと始まった。トランプ米政権はいま、安全保障と通商の両面から「新冷戦」の到来を覚悟したかのようだ。マイク・ペンス副大統領がワシントンで行った10月4日の演説をもって、レーガン大統領がソ連を「悪の帝国」と呼んだ瞬間を彷彿とさせるとの論評は妥当だろう。アメリカはこれまで、中国による国際秩序を無視した影響力の拡大を見過ごしてきたが、ペンス演説は「それらの日々を終わりにする」との決意を表明した。

 本誌(224ページ)に掲載のペンス演説の詳訳を読めば、これが周到に準備されたトランプ政権の包括的な批判とその原則「対中ドクトリン」であることが分かる。中国共産党とその指揮下にある政府が、他国を犠牲に経済力をつけ、軍事的な威嚇で勢力圏を広げ、いかに自国民の自由を抑圧しているかを白日の下にさらした。

 ホワイトハウスが昨年12月にまとめた「国家安全保障戦略」で、中国について「アメリカの地政学的優位に挑戦し、国際秩序を変えようとしている」とした判断が、第2次冷戦の起点かもしれない。今回の演説に込められた鋭角的な批判は、党派対立を超えたアメリカのコンセンサスであり、これまで我慢を重ねてきた怒りの噴出に違いない。

 アメリカの外交政策に影響力をもつジョンズ・ホプキンス大学のハル・ブランド教授は、確かにこのペンス演説は1946年のチャーチル元首相による「鉄のカーテン」演説でも、1947年のトルーマン大統領の演説に込めた「トルーマン・ドクトリン」でもないと述べた。しかし、米中関係にかかわる歴代政権の演説の中では「限りなくそれらに近いものだ」と位置づけた(Bloomberg Opinion, October 6, 2018)。

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