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【関西の力】食(3)規格外ミカン、獣害ジビエ肉…美食“自然と共生”は地元愛

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 今年5月には、三重県志摩市、山形県鶴岡市、鳥取県と協定を結び、「食の教育研究プロジェクト」をスタートさせた。地元の国立大学などの教育研究機関と料理人との連携モデルを作り、各地域で持続可能な食文化産業を推進する。

 また、プロの料理人向けのジビエ(野生動物の肉)セミナーも今年から来年にかけて開催している。シカやイノシシが農作物を荒らす獣害を、おいしいジビエ料理を提供することで解決しようという試みだ。

 実は日本には、ジビエ料理をきちんと教えられる教師はほとんどいない。だが、辻調にはいる。日本ジビエ振興協会理事長でシェフでもある藤木徳彦さん(46)は「硬いシカ肉でも技術があればカバーできる。料理人が地域の力になるために、ジビエの加工技術を教えられる辻調への期待は大きい」と語る。

「自然との共生」

 こうした活動のバックボーンにしようと、辻調グループは今年3月、8項目からなる日本版「ガストロノミーマニフェスト」を発表した。「多様な風土と食材が生んだ地域ごとの多様な料理や食文化」「季節の表現や精緻な手仕事、空間活用」など、地方に重点を置いたキーワードが並ぶ。

 ガストロノミーは「美食学」と訳され、かつては単においしい料理という意味だった。だが近年では地域の文化に根ざし、地元の食材を生かし、生態系を乱さない-といった意味が含まれるように。“自然との共生”というメッセージが込められた料理が、世界的にも高い評価を受けている。

 調理師養成学校の枠を超え、日本の食文化を牽引(けんいん)し続ける辻調グループ。代表の辻芳樹さん(53)は「東京ではなく大阪だからこそ、地方から生まれる豊かな食文化の本当の価値や、現場で起きている問題の本質が見える。それが私たちの強みなのです」と力を込めた。   =この項、おわり

(平成29年12月7日夕刊1面掲載 年齢や肩書き、呼称は当時)

     ◇

 伝統、文化、医学、農業、エンターテインメント、スポーツ…。関西には世界に誇れる魅力あるコンテンツがあふれている。現状の停滞を打破し、突破できる「力」とは何か。この連載では、さまざまなジャンル、切り口で「関西の力」を探る。

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