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【EXPO’70秘話 太陽工業の挑戦(下)】1万平方メートルの屋根膜 アメリカ館

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 7メートル四方のひし形ユニット245個分で構成される1枚ものの膜面。12人のグループで分担して作業にあたり、溶融接着機器の約50センチのバーで約3万回生地を押すことで延べ約15キロにもなる長さを溶着していった。工場内のほこりが機器に反応して焼け焦げることもあるため、細かい作業に神経を使った。深夜に作業員らの様子を見に来た薮野さんは、工場内が明るく音楽も聞こえるのに人の気配がないのを不審に思って確かめると、「みんな、テントを布団代わりに眠り込んでいた」。しかし、納期が迫っているため、心を鬼にして、みなをたたき起こしたという。

15トンの1枚もの

 約3カ月がかりで溶着作業を完了したものの、これで終わりではなかった。万博会場では約1万平方メートルの巨大膜面をケーブルに設営することでアメリカ館の屋根とするのだが、現場で正確に膜を広げるための基点を見極めてから折り畳む必要があったからだ。

 まずはその基点を引き出す作業から取りかかった。約40人がかりで重さ約15トンにもなる膜をたぐり寄せていった。笛の合図で「セーノ、セーノ」と声をかけながら力を込めるが、膜の重みや、膜と床とが吸引し合うことによって、30分もすればヘトヘトに。1日12時間をかけて約1週間でようやく基点にたどりついた。

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