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【EXPO’70秘話 太陽工業の挑戦(上)】厚さ4ミリ生地で富士グループ・パビリオン

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 班長以下11人の男女が取り組む中、「ふつうのはさみでは手が痛く、電動のはさみや畳包丁も併用して裁断した」と、薮野さんは振り返る。縫製のための専用の工具や装置などないないづくしで、自分たちで考えて作り出すところから始めねばならなかったという。

自走式でミシン縫い

 生地は1平方メートルあたり5キロという重さで容易には動かせないため、工場の床に掘った溝に作業員が入り、台車に載せたミシンを縫製のスピードに合わせて後退させる自走式にした。それを操作し縫製できたのは、20歳前後の女性たちのがんばりによるものだった。

 何度試行してもミシン針がなかなか刺さらなかったり、ミシンの軸棒が曲がったうえ、予備のミシンもなくなって、その日の作業は中断…とトラブル続出。作業時間は1日12時間以上にもなり、当初の目算ではチューブ1本を仕上げるのに5日間だった予定が17日間もかかったという。

 2本目以降は作業にも慣れて、徐々にスピードアップ。できあがったチューブは順次、万博会場に搬入され、作業員らは合間に別の膜面構造物の製造にあたるなどして、着手から約半年後に、ようやく16本のチューブがそろった。しかし、薮野さんらは感慨にふける余裕はなく、納期に追い立てられるように次なる難題に挑んでいたのだ。

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