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【スポーツ異聞】大坂なおみ、WTAファイナルで見えた世界一までの距離

WTAファイナル1次リーグでキキ・ベルテンスとの対戦途中で棄権し、引き揚げる大坂なおみ=26日、シンガポール(共同)
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 女子テニスのWTAファイナル初出場を果たした21歳の大坂なおみ(日清食品)は、1次リーグ第3戦(10月26日)で敗退となり、今季の日程を終えた。29日付世界ランキングで、前週の4位から5位に後退したが、それでも2018年はライバルをごぼう抜きにし、確かな足跡を刻んだ。女子テニス界は混戦期に突入しており、シングルスで日本勢初の「世界1位」は現実味を帯びてきている。

 無念の幕切れだった。年間の成績上位8人による華やかな舞台「WTAファイナル」で、勝てば準決勝進出の可能性が残された1次リーグ第3戦のキキ・ベルテンス(オランダ、世界ランク9位)との対戦。前戦で痛めた左太ももにテーピングを巻いて登場した大坂は、力のないサーブでミスを繰り返し、第1セットを3-6と落としたところで棄権を申し出た。涙を浮かべながら「どんどん痛みが増して動けなくなった」。肉体は限界だった。

 日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフで、日本テニス協会元ユニバーシアード女子監督の道上静香氏は「太ももを痛めていたことで、勝機の時に足を踏ん張れない。だから最後は得意のサーブもコントロールできなかったのでは」と指摘する。

 足を痛めた原因-。それは間違いなく、試合数の増加だろう。世界ランキングを向上させるため、ツアーを転戦するプロテニス選手は、トーナメントで勝てば勝つほどコートに立つ機会が増え、必然的に過密日程となる。

 大坂は昨年、予選も含めて46試合の出場だったが、四大大会の「全米オープン」で初優勝するなど大躍進した今季は62試合に出場。1試合で2時間を超える激闘も複数回あり、1月の時点で70位前後だった世界ランクを5位まで上げた日々は、心身を酷使する日々でもあった。

 WTAファイナルには、世界ランク1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が椎間板ヘルニアのため欠場。決勝は世界ランキング7位のエリナ・スビトリナ(ウクライナ)が、同6位のスローン・スティーブンス(米国)を下し、初優勝を飾った。もし、大坂が万全の状態で迎えられていれば、「十分に(優勝する)チャンスはあった」と道上氏は分析する。

 近年の女子テニス界は、2017年の四大大会を全て別の選手が制し、今年の全米オープンではハレプが1回戦で、世界ランク2位のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が2回戦で敗れたように、上位選手が安定していない。結果、世界ランキングの入れ替わりも激しく、混戦の時代に突入している。

 21歳が目指す世界一までの距離について、道上氏は「はるかに近い。今後さらに年齢を重ねることで、技術的にも戦術的にも磨かれていくだろう」と太鼓判を押す。

 まずはゆっくり休息すること。その先の2019年に、世界一の「なおみスマイル」が待っているかもしれない。(運動部 西沢綾里)

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