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【プロ野球通信】昨季は泥沼の最下位から2位浮上 ヤクルト躍進のきっかけはまず打線

選手の活躍にベンチから拍手を送るヤクルトの小川淳司監督=10月1日、神宮の巨人戦
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 昨季は球団ワーストの96敗、借金51(45勝2分)で最下位に沈んだヤクルトが、今季は貯金9(75勝66敗2分)の好成績で2位へと浮上した。クライマックスシリーズ(CS)はファーストステージで敗退したが、小川淳司監督(61)は「シーズンを通して選手はよく頑張った」と手応えを口にした。チーム躍進の背景に何があったのか。

 ■泥臭い、つなぎの攻撃実る

 今季のヤクルトは75勝中、半分以上の38勝が逆転によるもので打線の粘りが光った。7年ぶりにメジャーから復帰し、2番に定着した青木宣親外野手(36)、自身2年ぶり3度目のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した山田哲人内野手(26)らの活躍でチーム打率はリーグトップの2割6分6厘。

 加えてチームの総得点も広島(721)に次ぐ2位の658と健闘した。新任の石井琢朗打撃コーチ(48)が選手へ口酸っぱく教え込んだ「意味のある凡打」によるつなぎの野球が実を結んだ形となった。

 巨人とのCSファーストステージ第1戦(13日)でも1点を追う二回、先頭の大引啓次内野手(34)が四球で出塁。続く荒木貴裕内野手(31)は追い込まれながらも三塁ゴロを転がし、大引は二塁へ進塁。2死後、中村悠平捕手(28)の適時二塁打で同点のホームを踏んだ。

 結局、これがCSでヤクルト唯一の得点となったが、走者を置いて、いい当たりが出ても野手の正面を突き、併殺になるケースも多い。「それよりも、泥臭く何とかゴロを打ち、走者を進めるのがうちのスタイル。あそこは荒木の仕事がしっかりとできた」と指揮官は評価する。

 ■投手陣は持ち場ごとに活躍

 一方、投手陣を見ると、チーム防御率はリーグ4位の4・13。先発陣の2桁勝利は10勝のブキャナン投手(29)1人に終わったが、中継ぎから抑えへとつなぐ「勝利の方程式」が機能し、勝利を呼び込んだ。

 小川監督が「若い力が出てきた」と名前を挙げたのが、いずれも2年目の中尾輝(ひかる)=(24)、梅野雄吾(19)の両中継ぎ投手だ。左腕の中尾は54試合に投げて7勝12ホールド、右腕の梅野は29試合で3勝10ホールドと活躍。「チームの底上げとなった。自信をつけてくれたと思う」と指揮官もたたえる。

 セットアッパーの近藤一樹投手(35)は74試合に登板し、球団新記録の35ホールドを記録。守護神の石山泰稚(たいち)投手(30)はリーグ2位の35セーブと奮闘した。先発で8勝に終わった小川泰弘(28)、同じく6勝の原樹理(25)両投手らがさらに勝ち星を重ねれば、来季の投手陣はいっそう充実することになる。

 ■転機は交流戦の最高勝率

 小川監督はもう一つ、チーム躍進のきっかけとして、セ・パ12球団の中で初めて最高勝率(6割6分7厘=12勝6敗)に輝いた交流戦を挙げる。ヤクルトは交流戦前に借金9を抱えて最下位に甘んじていたが、セの他5チームはいずれもパのチーム相手に負け越し。交流戦終了時点では借金3の4位タイまで盛り返し、その後の順位浮上につながった。

 「今までにないような戦いができたのは、大きなことだった」と小川監督が振り返るように、交流戦では12勝のうち8試合が3点差以内。打線の粘り強さと近藤、石山ら救援陣の奮闘が白星へ結びついた。「パ・リーグのすごい打者たち、かなり力のある投手を相手にいい戦いができたことは選手たちの自信になり、後の戦いにつながってきた」と指揮官。

 来季はこうした投打のかみ合った試合運びを開幕から発揮できれば、4年ぶりのリーグ優勝も十分ねらえそうだ。(運動部 三浦馨)

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