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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら】(36)「愛国スーツ」にご用心

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ネトウヨと浅薄な政治家

 教育勅語について書いているうちに、英国の詩人にして批評家のサミュエル・ジョンソン(1709~84年)の言葉を思い出した。

 《愛国心とは、ならず者たちの最後の避難場所である》

 王族や貴族などのエリート層は「ノブレス・オブリージュ」(高貴な者の義務)をかなぐり捨て、私的利益ばかりを追求していると批判して、既存の身分制秩序を破ろうとする急進的な愛国主義者に対して、英国保守党の前身であるトーリー党支持者であったジョンソン博士が吐いた不満の言葉だという。

 この言葉はやがてジョンソン博士の真意から離れて独り歩きを始め、図らずも箴言(しんげん)として受け止められるようになった。

 私などは、昨今ネットにしきりに書き込まれる愛国者気取り(いわゆるネトウヨ)の言説を見るにつけ、ジョンソン博士の言葉をもじって「愛国心とは、不満を抱えた弱者たちの最後の避難場所である」とつぶやいてしまう。

 ネトウヨは、けっしてならず者などではなく、その素顔は自分の生きる軸を見いだせずにいる、よるべなき人々だろう。それが「愛国」というスーツを手に入れて着用することで、「日本」の代理人にでもなったかのような高揚感を覚え、ネット上で暴走を始め、ならず者化する。その言説の何割かは、自分の頭で考えたものではなく、ヘイト本の受け売りだ。

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