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【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】ポンペオ氏訪朝の収穫なし 米は北の「サラミ戦術」に巻き込まれたのか

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 現在、北朝鮮が「非核化」に向けた措置として言い出しているのは、(1)北西部・東倉里(トンチャンリ)のミサイルエンジン実験場廃棄や発射台の「永久廃棄」(2)北東部・豊渓里の核実験場(今年5月に爆破)の査察(3)寧辺(ニョンビョン)核施設の廃棄-だが、ミサイルエンジンはすでに完成、ミサイルは移動式に転換、寧辺施設は老朽化-といずれもパフォーマンスに過ぎない。さらに米国の専門家や国際原子力機関(IAEA)を現場に入れるとなれば、無意味な「非核化」の調整に時間を要して長引くだけだ。

 そもそも「サラミ戦術」とは冷戦時代、ソ連や中国、東欧諸国の共産国家などが1940年代から使ってきた常套手段で、元はといえばソ連のレーニンが指導した敵対勢力への対応策。無意味な交渉や最小限の譲歩を使って、相手に対価を要求していかに最大限の効果を得るか、という共産国家の伝統的手法なのである。

第2回米朝首脳会談の危険性

 北朝鮮にサラミ戦術を許してしまった原因は、6月のシンガポールでの米朝首脳会談にある。トランプ大統領は北朝鮮に「安全の保証」を約束したが、金正恩氏は「朝鮮半島の完全な非核化に向けた断固とした揺るぎない決意」しか確認していない。「朝鮮半島の非核化」とは何かについて、両国間で定義がなされないままに始まった米朝協議は最初から難航が必至だったのだ。

 ポンペオ国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長の実務レベルで「非核化」についての協議の土台を作るべきところが、結局、進展がほぼゼロのまま、今回、第2回の米朝首脳会談開催が決まったことで、実はシンガポールの失敗が繰り返される可能性が出てきた。

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