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【国際情勢分析】脱「一帯一路」は波高し 中国資本が浸透したモルディブの未来は

今年に入ってアジア各地で、中国の影響力見直しを掲げる指導者が選出された。(左から)マレーシアのマハティール首相、モルディブのソリ次期大統領、パキスタンのカーン首相=AP
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 南海の楽園が選択した「脱中国」の行方は-。9月のモルディブ大統領選で親中派の現職が敗北し、親インドの野党候補が勝利した。新政権は中国マネーによるインフラ整備を見直す予定で、巨大経済圏構想「一帯一路」の退潮と捉えることもできる。ただ、中国の影響と資金は既にモルディブに深く染みこむ。公約通り中国の“赤色”をぬぐえるかは未知数だ。(ニューデリー 森浩)

「強権と腐敗」の大統領

 「困難な旅路だった」

 野党統一候補だったモルディブ民主党(MDP)のソリ氏は、投票翌日の9月24日の勝利宣言で、こう吐露した。選挙戦で争ったヤミーン大統領に対しては「人々の意思を尊重し、平和でスムーズな権力移転を実現するよう求める」と呼びかけた。

 「困難な旅路」という言葉には、モルディブがここ数年置かれていた政治状況が凝縮されている。

 2013年に就任したヤミーン氏は、非常事態宣言を2度発動して、ガユーム元大統領ら政敵を次々と拘束。国内の反対者は「すべて投獄されるか亡命した」とも揶揄(やゆ)された。批判するメディアには、施設への放火や記者の尾行などの嫌がらせが続いた。

 大統領選でも、ヤミーン政権は、与党の追い落としを図るため、「黒魔術を行った」として野党支持者を逮捕。投票前日の22日には「違法行為があった」との理由で、裁判所の令状なしで野党の選挙事務所を捜索した。

 「ヤミーン氏が敬遠された理由は複数あるが、1つめが行き過ぎた独裁。2つめが腐敗だ」と話すのは地元ジャーナリストだ。

 親族企業への利益誘導の噂は絶えず、選挙直前にはリゾート開発をめぐってヤミーン氏や側近が関与する汚職疑惑が浮上していた。

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