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過激な天才・小室直樹 「学問と酒と猫を愛した」評論家の人生が大冊の評伝に

村上篤直著「評伝 小室直樹」(上下巻、ミネルヴァ書房)の表紙
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 昭和から平成にかけ「ソビエト帝国の崩壊」「痛快!憲法学」など、数々のベストセラーを刊行した評論家、小室直樹さん(1932~2010年)。「在野の天才学者」と称され、桁外れの“奇人”ぶりでも知られたその生涯を描いた伝記「評伝 小室直樹」(上下巻、各2400円)が、ミネルヴァ書房から刊行された。著者の弁護士、村上篤直(あつなお)さん(46)は「学問と酒と猫を愛した過激な天才」と、その生涯を評する。

「アメリカを征伐」

 小室さんは福島県立会津高校を卒業後、物理学者の湯川秀樹のノーベル賞受賞に刺激されて京大理学部に進学。友人らの証言を元に描かれる若き日の小室さんは、抜群の記憶力と数学力を誇る天才学生であり、「原爆以上の兵器を作ってアメリカを征伐する」「天皇は神である」と公言してはばからない熱烈な愛国者でもあった。

 本書では京大時代、戦前戦中に大きな影響力を持った歴史家の平泉澄(きよし)の私塾で学んでいたことなど、従来知られていなかった事実を多数発掘して青年期の実像を描き出す。

 圧倒的な軍事力、経済力を誇る米国を打倒するためには、その物質的力の背景にある資本主義や科学といった近代文明の本質を見極め、わがものとしなければならない。小室さんは社会科学に進路を転じて大阪大大学院経済学研究科に進学し、フルブライト留学生として渡米。ノーベル経済学賞受賞者、サムエルソンの薫陶を受けた。帰国後は東大大学院法学政治学研究科に移り、政治学者の丸山眞男(まさお)ら諸分野の一流学者に師事。経済学をはじめ社会学や心理学、社会人類学、政治学など多分野の学問を広く修得し、複数の社会科学を統合する新しい理論の構築を目指した。

 また、昭和40年代後半から主宰した無償の自主ゼミでは橋爪大三郎さんや宮台(みやだい)真司さん、大澤真幸(まさち)さん、山田昌弘さん、副島隆彦さんら多数の人材を育てた。

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