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【赤字のお仕事】官能小説を校閲する辱め

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 私ごとですが、取材の部署や本社整理部などを経て約20年ぶりに校閲部に戻りました。原稿の誤りや不備をチェックする仕事です。パソコンやインターネットの導入に伴う「赤字のお仕事」の変貌ぶりに、日々驚かされています。

 20年以上前の校閲部といえば、主な仕事は「読み合わせ」といわれる作業でした。2人1組となり、一方が活字となった原稿を読み、もう一方が手書きの元原稿を見て入力ミスをチェックします。同じ読み方をする他の漢字と間違えないよう「字解き」という作業も必要です。「川」を「さんぼんがわ」と説明したり、「河」を「さんずいのかわ」と言い換えたり、それはそれは手間が掛かりました。

 当時の校閲部には100人以上の部員がいたこともあり、一番忙しい時間帯ともなれば旧社屋の高くもない天井や壁に数十人の声がこだまし、やかましいことこの上ありません。天井近くには新聞を製作する制作局(私たちは工場=こうば=と呼んでいました)と原稿のやりとりをするため、潜水艦などによくみられる「伝声管」のようなパイプやベルトコンベヤーが巡らされていました。原稿を詰めたカプセルが滑る音が響き、加えて先輩たちの怒号も飛び交って、常に混沌(こんとん)とした空気に包まれていました。

 そんな状態でしたので、自然と周りの目は気にならなくなるのですが、中には声に出すのがはばかられる原稿もありました。産経新聞僚紙の夕刊フジに掲載される官能小説の類いです。読み合わせが始まると、周囲の部員たちが赤面して次々に席を立っていきます。

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