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【映画深層】「バッド・ジーニアス」 タイの映画賞総なめ、“厚い壁”に空けた穴

タイ映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」の一場面 (c) GDH 559 CO., LTD. All rights
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 タイ映画界の厚い壁をぶち破った、という手応えは感じている。9月22日公開の「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」は、タイ映画には珍しい社会性と娯楽性を兼ね備えた作品で、タイのアカデミー賞といわれるスパンナホン賞を史上最多の12部門で受賞した話題作だ。これが長編2作目となるナタウット・プーンピリヤ監督(37)は「スタッフやキャストには苦労をかけたが、誇りに思ってもらえるんじゃないか」と笑顔をほころばせる。

受験熱の加熱に一石

 日本での公開を前に来日したプーンピリヤ監督によると、これまでタイの娯楽映画といえば、あまり質のよくないコメディーぐらいしかなかったという。概して脚本はなく、撮影技術のレベルも低い。そうでなければ、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督に代表されるアート系の映画で、観客の欲求にリンクしていなかった。

 「どうしてその中間の映画がないのか、すごく楽しくて、なおかつメッセージ性のある映画が、なぜ作られないのかと思っていました」と監督は振り返る。

 「バッド・ジーニアス」は、実際に中国であったニュースがヒントになっている。時差を巧妙に利用して入試問題を事前に入手していた事件で、カンニングをモチーフにすれば、スパイものやアクション映画のようなはらはらドキドキの娯楽作にできるのではないかと考えた。

 映画の主人公、リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)は天才的な頭脳の女子高校生だが、家は貧しかった。女優志望の友人、グレース(イッサヤー・ホースワン)を助けたことをきっかけに、カンニングを指南して小銭を稼ぐことを思いつく。だが堅物の秀才、バンク(チャーノン・サンティナトーンクン)は快く思わなかった。

 「以前から子供をいい大学に進学させたい親は多く、親の期待に応えようとして生徒がカンニングをする問題は常態化していた。私が子供のころも、本当はサッカーが得意なのに、親が無理やり塾に通わせるということはよくありましたからね」

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