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【矢板明夫の中国点描】悲劇生んだ「一人っ子政策」 権力者の思いつきに翻弄される中国

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 94年9月、現役軍人が大量の民間人を殺傷した建国門事件の原因も一人っ子政策だった。

 事件は、北京近郊に駐屯する中国人民解放軍の田明建副中隊長(当時)に「第2子を妊娠した」と知らせる妻からの手紙が、事前検閲で上司に発見されたことがきっかけとなった。妊娠7カ月の妻は中絶手術を強制されたが、手術が失敗して母子ともに死亡した。

 それを知った副中隊長は上司ら複数の将校を射殺。さらに大使館などが集中する建国門界(かい)隈(わい)で無差別に発砲し、イラン人外交官を含む約20人を殺害後、特殊部隊に射殺された。この事件は中国でいまでも報道規制が敷かれ、正確な死傷者数は明らかになっていない。

 一人っ子政策を主導したのは、70年代末に最高実力者となった●(=登におおざと)小平だった。「経済発展の遅れは人口が多いことが原因だ」と考えた●(=登におおざと)は、科学的検証もほとんどせず、「あらゆる経済的、行政的手段を使って人口を抑えろ」と全国に指示した。一部の外国の人口問題専門家は「天下の愚策」と批判したが、国内で異を唱える者はいなかった。

 違反した家庭は年収以上の罰金が科されたため、各地で同政策の実施を担当する計画出産委員会は大きな利権を手にした。是正を求める声は黙殺され続けた。

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