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【映画深層】フェイクニュース時代に突きつける「飢えたライオン」 映画で目指すジャーナリズム

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ジャングルから覗く

 「あそこで映画祭に引っかからなかったら映画はやめていたと思う。でもちょっと評価されてしまったから、やめるにやめられなくなったというのが、正直なところです」と戸惑いを見せるが、今後もジャーナリズムを意識しつつ、芸術性と娯楽性を備えた作品を作っていくつもりだ。

 「芸術性と娯楽性と社会性を成り立たせようとすると、そんなにさらっとは脚本が書けない。でもどの側面から見ても面白いもの、新しいものをやっていきたいですね」と話す緒方監督は、今回の「飢えたライオン」は、何でも物語にしてしまう現代社会へのアンチテーゼでもあると訴える。

 「今やニュースもストーリー仕立てになっている。ストーリーにすると一見わかりやすいが、物事を矮小(わいしょう)化、単純化させてしまうところがある。一般の人がそれを求めているという側面はあるが、僕の映画ではなるべくそうはさせたくないなと思うんです」

 「飢えたライオン」というタイトルは、フランスの画家、アンリ・ルソー(1844~1910年)の作品から取った。ライオンがカモシカにかぶりついている背後のジャングルから、ヒョウやフクロウ、猿などがのぞき見ている絵だ。SNSやインターネットを通して、みんなで楽しんだり、傍観したり、あわよくば何かおこぼれがあるんじゃないかと狙っていたりする、そんな今の日本社会に似ているように緒方監督は感じた。

 「そういう意図で描かれた絵ではないと思うが、勝手にイメージが膨らんだという感じですね」とジャーナリスティックなアーティストの目で語った。(文化部 藤井克郎)

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