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【高論卓説】増える「メンタル病む」社員 必要な適材適所 磯山友幸氏

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 安倍晋三内閣は「働き方改革」を掲げて長時間労働の是正に取り組んでいる。残業時間の上限を「月100時間未満」に制限し、違反した企業に罰則を科すというのは、日本の職場を変える画期的な一歩に違いない。だが、前述の通り、いくら残業時間を削っても、精神を病んで過労自殺する社員の抜本的な削減にはつながるかどうか。

 産業医や人事コンサルタントの分析によると、仕事が高度化・複雑化していることで、自分の能力が追い付かないと感じている社員が少なくない、という。そんな「焦り」もストレスになっている。自分が得意でないと感じている分野への突然の転勤が精神障害を発症するきっかけだったりする。

 抜本的にストレスを減らすには、社員にやりたいことをやらせる、能力に見合った仕事をさせる、本当の意味の「適材適所」が必要なのだろう。自分のやりたい仕事ならば多少の残業も苦にならない。

 そうした働き方を可能にするには、「辞令1枚でどこへでも行け」というこれまでの日本型の雇用慣行では難しい。いわゆるメンバーシップ型ではなくジョブ型の雇用へとシフトしていくことが不可欠になるだろう。また、ライフステージに合わせて多様な働き方を選択できることも重要だ。残業も苦にせずに長時間働いていた人でも、子育てのピークや親の介護に直面すれば、それまで通りの働き方を続けることは難しくなる。

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