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【国際情勢分析】またも軍の暗躍? パキスタンは救われるのか

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 シャリフ氏が軍に嫌われた理由はいくつかある。まずは、いったん国外に逃亡し帰国を強行したムシャラフ氏の訴追手続きを進めたこと。もう一つはパキスタンの宿敵インドとの信頼醸成を進めようとしたことだ。

 シャリフ氏は実業家の出身で、インドと隣接する東部パンジャブ州を支持基盤とする。2013年に首相に就任し、インドとの関係改善による経済効果を狙っていた。1年後には、インドでやはり経済政策への手腕に期待がかかるモディ氏が首相になり、2人は会談を重ねた。

 経済が上向くことに誰も異論はないはずだ。だが、インドとの緊張が緩和されることは、パキスタン軍にとっては、利益ではない。両国はカシミール地方の領有権を争い軍事的に対立し、過去、3度の戦争を起こしたほか今も衝突が続いている。

 「パキスタン軍にとって、インドとの軍事的緊張が続いていることが、自分たちの存在意義を生む。適当に荒れている方が都合が良いのだ」

 首都イスラマバードの西側外交官はよく、こう語っている。

 さて、今回の司法によるシャリフ氏の有罪判決である。

 選挙前、何人かのパキスタン政府関係者に聞いてみたが、多くは「司法が力を持ちすぎだ」「政権は、選挙によって国民が選ぶものだ」と反発していた。軍に言及した人はいなかったが、その真意は容易に推し量ることができる。

 過去、何度も国際通貨基金(IMF)に援助を求めてきたパキスタンは、中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の「債務のわな」に陥り、秋にもIMFを頼ろうとしている。この国は民主政治へと向かう意思があるのか。国際社会は見据える必要がある。(外信部次長 岩田智雄)

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