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【田村秀男のお金は知っている】「万引き家族」を苦しめる消費税増税 経済成長なき市場原理主義に無力感

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【田村秀男のお金は知っている】
「万引き家族」を苦しめる消費税増税 経済成長なき市場原理主義に無力感

消費税3%分を差し引いた雇用者報酬と家計消費の前年比増減額 消費税3%分を差し引いた雇用者報酬と家計消費の前年比増減額

 消費税増税と緊縮財政は日本型市場原理主義の産物である。法人減税と政府財政の支出抑制をセットとし、社会保障財源には消費税を充当する。消費税収は社会保障財源となって社会の弱者や低所得層にも配分されると考える向きが政官財、メディアに多いが、それはカネのやりくり計算である家計簿の発想でしかない。国家の経済成長を妨げ、「万引き家族」を受け入れる経済環境を痛めつける。その症状を悪化させるのが消費税増税である。

 論より証拠、グラフを見ればよい。2014年度の消費税率の5%から8%への引き上げ後の雇用者報酬と家計消費の前年比増加額から家計の消費税増税分負担額を差し引いてみた。雇用者報酬とは、勤め人が会社などから受け取る給与・ボーナスや社会保険料の合計で、労働需給の逼迫(ひっぱく)を受けて16年から増え始め、今年に入って増加基調が加速している。しかし、消費税増税負担を考慮すると、増加率が力強さを示す前年比3%以上になったのは今年になってからだ。

 家計消費のほうは消費税増税後急減したあと、17年からプラスに転じたが、消費税増税負担分を差し引くと、増税前より低いままだ。しかも雇用者報酬とは逆に下向きである。ボーナスは増えたが懐具合は一向によくないと感じる読者諸公が多いはずである。その心理は簡単にぬぐい去られないので、消費は増えない。消費減は猛暑のせいではない。零細商店もスーパーも「万引き被害」ではなく、消費税に苦しめられている。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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