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【田村秀男のお金は知っている】「万引き家族」を苦しめる消費税増税 経済成長なき市場原理主義に無力感

消費税3%分を差し引いた雇用者報酬と家計消費の前年比増減額
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 カンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」に輝いた是枝裕和監督の「万引き家族」を見た。(夕刊フジ)

 印象に残った風景は下町の裏通りにひっそりと佇(たたず)む古びた駄菓子屋さんだ。にわか妹になった小さな女の子の万引を手助けするお兄ちゃんに、気付いた店主の爺さんがやんわりとさとした。そればかりか女の子にみやげまでもたせた。

 万引の技をにわか父さんに仕込まれた少年は思う。「お店がつぶれなければ、いいじゃないか」と。大資本のスーパーならびくともしないだろうが、零細な店はどうかと、かなり気になって仕方ない。

 ある日、駄菓子屋さんが廃屋同然、抜け殻のようになった。「忌中」の札を見て、その字の意味を理解できなかった少年は、そうなったのは万引被害ではなく、爺さんが亡くなったためだとは知らず、激しく動揺する。それを機に、万引を絆にした偽装家族の崩壊が始まる。

 映画の時代設定は昭和、いや平成のいずれだろうかと迷ったが、経済の観点からすれば今の時代とみていいだろう。「持つ者」がより豊かになり、「持たざる者」がより貧しくなる。競争社会の勝者と敗者の格差が広がり、底辺の者には行き場がない。市場原理主義は民間の活力を引き出すと評価され、1990年代後半から安倍晋三政権に至るまでの日本の基本路線になっているが、何かが欠けている。経済成長なき市場原理主義は社会の無力感を生むという視点がないのだ。

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