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【赤字のお仕事】「遡って読む」

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 「遡」という字が常用漢字表に載っている。「遡る」と書いて「さかのぼる」と読む。平成22年の常用漢字表改定で加わった字である。

 産経新聞の使用基準としては「遡(さかのぼ)る」と読み仮名をつけることになっている。「遡上(そじょう)」「遡及(そきゅう)」などの場合も読み仮名がつく。比較的難しいと判断したためだ。

 私は文章を点検するときに、遡って読むことがある。もっとも、1文字ずつ後ろから読むのは困難なので、段落で区切ることが多い。最後の段落を読んで、1つ前の段落へ遡り、最終的に最初の段落を読む、といった方法である。

 「異常な」読み方なので、当然注意すべき点がある。他人にお勧めできるかどうかは分からないが、個人的に感じている「効用」を述べてみる。

 文章を頭から読むと、話の流れを追ってしまう。「流れ」を追う分、単純な異変に気付きにくくなる。そこで、流れに逆らってみると「文として読めるかどうか」に集中できる。

 一度読むだけで「誤字」「脱字」「誤変換」などを見抜いて「文章の意味」まで把握するのは難しいと思っている。まずはぶつ切りにして細部を点検し、後で頭から通して眺めてみるのである。

 このような読み方を始めたきっかけは、いくつか思い当たる。発端の一つは「疲れて読むのが嫌になっていた」あたりだろう。「読むのが嫌」に始まって「後ろから読んでみよう」に至る流れは、多少不可解だが。

 遡って読む際の注意点としては、段落を飛ばしてしまわないようにすることが第一である。段落を2つ遡ってしまうと、読まない部分が発生してしまう。そして、その飛ばしてしまった段落に誤りがある、という不運は結構起こりうる。

 校閲をしていると、多種多様な記事を読むことになる。なじみのない話題もたくさんある。分からない話は分からないなりに誠実に読むしかない。

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