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【ニュースの深層】「AI診断」がん見落としの切り札に? 技術の高度化が生み出した病院の“死角”

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【ニュースの深層】
「AI診断」がん見落としの切り札に? 技術の高度化が生み出した病院の“死角”

AIが発見した胃がんの内視鏡画像(右)と元の画像。判別しにくいがんを見つけて、色を塗った(研究チーム提供) AIが発見した胃がんの内視鏡画像(右)と元の画像。判別しにくいがんを見つけて、色を塗った(研究チーム提供)

 ■1回で数百枚

 「画像診断が急速に進展し、増加する情報量に対し、専門医の増加が追いついていない」。日本医学放射線学会は7月19日、異例の見解を公表した。

 同学会は「医療の高度化で専門領域に対する高度な知識が求められ、それに注力するため、他領域への十分な知識を有することが困難だ」と強調。特に画像検査では、対象臓器だけでなく幅広く撮影できる。息を1回止める間に、数百枚以上の撮影も可能で、予期しない病変が見つかることもある。

 東京慈恵医大病院では画像診断の見落としで患者が死亡したケースを踏まえ、診断報告書を主治医が確認し、必要な対応をしたかスタッフが2回、医師に確認する仕組みを導入。今春からさらに診断報告書を全患者に手渡すことも始めた。

 ただ同病院だけで年間約8万5千件のCTなどの検査があり、情報処理にかなりの時間がかかる。名古屋大病院の長尾能(よし)雅(まさ)教授(医療安全)は「技術の向上で異常が見つかりやすくなった半面、フォローするシステムが追いついていない」と指摘する。

 ■0・004秒判断

 「技術的に精度を高めてきた。今後は臨床的にどう使えるかにかかっている」。理化学研究所光量子工学研究センターの横田秀夫チームリーダーは語る。理研と国立がん研究センターの研究グループは7月20日、米ハワイの学会で、AIを使って、早期胃がんを発見することに成功したと発表した。

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