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出征前日「吉光の脇差見せられた」…細川家との400年の縁 千玄室さんゲストに「モーニングトーク」

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出征前日「吉光の脇差見せられた」…細川家との400年の縁 千玄室さんゲストに「モーニングトーク」

放送1200回を迎えた「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本)で、ゲストの千玄室さん(左)から話を聞く細川珠生さん=6月23日、東京都千代田区の裏千家今日庵東京道場 放送1200回を迎えた「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本)で、ゲストの千玄室さん(左)から話を聞く細川珠生さん=6月23日、東京都千代田区の裏千家今日庵東京道場

 隆一郎氏は生きていれば100歳。95歳の千さんと5歳違いだ。隆一郎氏は硫黄島の生き残り、千さんは海軍特攻隊の生き残りとともに先の大戦を経験した。

 出征前日、千さんは父親から一振りの刀を見せられた。千利休が切腹したときに使ったものと伝わる鎌倉時代の刀工、粟田口吉光の脇差。宗家に伝わり、家元のみが見られるものだという。覚悟を決めて出征した千さんが、短い訓練を経て向かったのは海軍特攻隊の出撃基地となった鹿屋(鹿児島県)だった。

 「私は海軍に入るとき、携帯用の茶箱を持っていきました。利休も陣中茶箱を持っていて、合戦に出るよろい姿の武士に茶をたてましたが、それです。飛行作業が終わると、皆が『おい、千、お茶にしてくれや』と言うので、私がたてて皆に飲ませました。あぐらをかいて、武家そのままの姿でね。450年前は利休さんがこうやって皆にお茶を飲ませた、それを再現しているのかな、と。縁の繋がりはすごいなと思いました」

 千さんの戦争体験を、細川さんは静かに聞いた。

 「『おふくろに会いたいな。このお茶をいただいたら俺は最後や』と皆、涙を流してね。その中のひとりが『千よ、俺、生きて帰ってきたら、お前のところの茶室で茶を飲ませてくれよ』と。それを聞いたとき、俺たちはもう生きて帰れないんだと実感しました。今でもその戦友の声が耳に残っています」

 ■日本は平和ぼけしている

 「641柱の仲間は沖縄周辺に眠っています。遺骨もあがりません。本当にはかないものですよ。昨日まで一緒にいたのが、順番に出ていく。『千少尉』と呼ばれ、私は待機命令を出されました。『嫌です。出してください』と3度、隊長に頼みました。でも、『お前は待機命令や。命令に背いたらいかん。待っとれ。そのうちに命令が出る』と。悔しかったですね」

 千さんは、自身の戦争体験を話すのがあまり好きではなかったという。

 「でもね、最近になったら、もう皆いないんです。そういうことを残していかなきゃ。日本の国はアメリカにおんぶに抱っこで、平和ぼけしている。われわれは21歳や22歳で毎日、『死ね』『死ね』と言われてきた。今の国会議員は使命を持って死ねますか? お父さま(隆一郎氏)が生きていらしたら、叱り飛ばしたと思います」

 「安全保障は必要ですが、日本が自分を守れるだけの国軍を持たなければならない。領空侵犯されて自衛隊がスクランブル発進しても、攻撃しないことを皆知っている。なめられているんですよ。日本は。私、それを自衛隊のパイロットから聞きまして、本当に悔しいですよ」

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