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【新欧州分析】ソビエト暗黒支配の恐怖忘れるな バルト諸国で広がるKGB「負の遺産」告発 

エストニア人のマグリットさんは秘密の穴から部屋を覗いて撮影したカメラを手に、「KGBがこうしてコンプロマットをやっていました」とざんげした=タリンのソコス・ホテル・ヴィルのKGB博物館(岡部伸撮影)
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 半世紀以上にわたり旧ソ連の恐怖政治に苦しんだバルト諸国で、旧ソ連国家保安委員会(KGB)による暗黒支配の「負の遺産」を市民が公開する動きが相次いでいる。ソ連崩壊につながった1991年9月のバルト三国独立から間もなく27年。2014年のウクライナ危機以降、ロシアが再び「裏庭」への影響力を拡大しようとする中、全体主義の恐怖の実態をつまびらかにし、スターリニズムの悲劇を二度と繰り返させないとの決意が込められている。(ロンドン 岡部伸)

中傷情報収集を懺悔

 「私たちはコンプロマットをやっていました」

 エストニアの首都タリンの旧市街地近くに立つソコス・ホテル・ヴィル(旧インツーリストホテル)にあるKGB博物館。ガイドのマグリッドさんは、秘密の穴から部屋をのぞいて撮影したカメラを手に、こう懺悔(ざんげ)した。

 ロシア語で不都合な情報を意味する「コンプロマット」(中傷情報)と呼ばれる攻撃は、旧ソ連で政敵やジャーナリスト、高級官僚らを追い落とす手法として繰り返し利用されてきた。情報の主流は男女の情事で、KGBは本物か捏造(ねつぞう)かを問わずにスキャンダルを探した。

 例えば、1999年3月、当時のエリツィン大統領と対立し、エリツィン家と側近の汚職捜査に乗り出したスクラトフ検事総長とみられる男性が、サウナで裸で女性と戯れるビデオ映像がロシア内外のテレビ局に持ち込まれた。

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