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【昭和天皇の87年】「撃沈します」! 日清戦争でみせた東郷平八郎の決断力

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 この難局の処理にあたったのが、浪速艦長の東郷だった。東郷はまず、商船を停船させて将校を送り、同船が英インドシナ汽船会社代理店所有の「高陞号」であること、清国兵1100人と大砲14門を朝鮮・牙山港へ輸送途中であること、船長のイギリス人は日本側の指示に従う意向を示していること-を確認すると、手旗信号で指示した。

 浪速「錨ヲ揚ケテ本艦ニ続航セヨ」

 だが、高陞号の船長は従わず、重大事態が発生したので面談したいと返信してきた。東郷が再び将校を送って調べさせると、船長以下イギリス人乗員は清国兵に脅迫されており、すこぶる不穏な様子である。

 東郷は船長に、イギリス人は海に飛び込み船から離れるよう指示した。

 浪速「船ヲ去レ」

 高陞号「許サレス 端艇(ボート)ヲ送ラレタシ」

 浪速「送リ難シ 直チニ船ヲ見捨テヨ」

 最初の停船命令からすでに4時間近く。事態はいよいよ切迫してきた。浪速の艦橋に立つ東郷は、高陞号の清国兵が刀剣をぬき、銃を構え、制御できない状態であるのを見て取ると、赤一色のB旗を掲げた。

 「危険ナリ」を示す国際信号旗だ。この旗が軍艦にひるがえれば、その意味はひとつしかない。しばしの猶予を与え、東郷は言った。

 「撃沈します」

 時に7月25日午後1時46分、浪速の砲撃を受けた高陞号は沈没する。その直前に海に飛び込んだ船長らイギリス人4人は救助され、清国兵の多くは射殺、もしくは水死した。

× × ×

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