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【矢板明夫の中国点描】「習近平降ろし」がついに始まった 40年前の失脚劇と類似…

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【矢板明夫の中国点描】
「習近平降ろし」がついに始まった 40年前の失脚劇と類似…

7月10日、ドイツへの経由地ヘルシンキで、喜びを全身であらわす故劉暁波氏の妻、劉霞さん。中国からの出国が認められた背景には、習近平国家主席の影響力低下があるとの見方もある(AP) 7月10日、ドイツへの経由地ヘルシンキで、喜びを全身であらわす故劉暁波氏の妻、劉霞さん。中国からの出国が認められた背景には、習近平国家主席の影響力低下があるとの見方もある(AP)

 3月に勃発した米中貿易戦争は、中国の経済に深刻な打撃を与えた。沿海部の多くの工場が生産停止に追い込まれ、株価も暴落した。習氏は自らの側近、劉(りゅう)鶴(かく)副首相を責任者にして、米国側との交渉を重ねたが、失敗を繰り返した。「米中貿易戦争を止めなければ中国の経済が破綻する」といった危機感が共産党内に広がり、習政権の民族主義をあおる外洋拡張路線などが米中貿易戦争を招いたとの声も出始めた。

 党関係者によれば、7月初め、江沢民、胡錦濤、朱鎔基(しゅ・ようき)、温家宝各氏ら複数の党長老が連名で党中央に経済、外交政策の見直しを求める書簡を出した。書簡は、習指導部のここ数年の実績を評価しつつも、「党内はいま、個人崇拝や左派的急進主義などの問題があり、早急に改める必要がある」としている。

 1976年10月、毛沢東の後継者として中国の最高指導者の地位に就いた華国鋒は、自らに対する個人崇拝の提唱や独断的な経済政策を推進したため、当時の党内の実力者、●(=登におおざと)小平(とう・しょうへい)ら長老派と対立した。78年末に開かれた党の中央総会で華が推進する政策が実質的に否定されたあと、影響力が低下し始めた。華はその後も党内から批判され続け、側近が次々と失脚するなか、約3年後に自らが辞任する形で政治の表舞台から去った。

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