PR

ニュース プレミアム

【矢板明夫の中国点描】「習近平降ろし」がついに始まった 40年前の失脚劇と類似…

7月10日、ドイツへの経由地ヘルシンキで、喜びを全身であらわす故劉暁波氏の妻、劉霞さん。中国からの出国が認められた背景には、習近平国家主席の影響力低下があるとの見方もある(AP)
Messenger

 「40年前の華国鋒(か・こくほう)失脚前の雰囲気と似てきた」。国際電話の向こうから共産党古参幹部の興奮気味の声が聞こえた。「党内で習近平降ろしの動きが始まった。8月の北戴河(ほくたいが)会議が楽しみだ」

 この古参幹部は共産党の下部組織、共産主義青年団の出身で、胡錦濤(こ・きんとう)前国家主席の周辺に近いとされる。10年以上前に定年退職したが、最近まで、現役時代の担当部署の帳簿を繰り返し調べられるなど、習派からさまざまな嫌がらせを受けているという。

 中国で“習近平独裁体制”に7月から異変が起きている。共産党機関紙の人民日報などの官製メディアの1面から習近平国家主席の名前が消える日が増えた。北京や上海などの街中の歩道橋などに掲げられた「中国の夢」「偉大なる復興」といった習語録の横断幕も外され始めた。

 何よりも目立ったのは、習氏の政治路線と距離を置く李克強(り・こくきょう)首相の存在感がにわかに高まったことだ。李氏が7月上旬、訪問先のドイツでメルケル首相と会談した直後に、ノーベル平和賞受賞者、故劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏の妻で、中国当局に長年軟禁された劉霞(りゅう・か)氏のドイツへの出国が認められた。このことはさまざまな臆測を呼んでいる。

 共産党一党独裁体制を強化したい習氏は、一貫して民主化運動や人権活動家に対して厳しい姿勢を取っており「劉霞氏の出国を認めない」というのが習氏の方針だったとされる。今回、李氏の主導で劉霞氏の出国が実現したことは、習氏の党中央における絶対的な地位が揺らぎ始めたことを意味すると解釈する党関係者もいる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ