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「55年ぶりの大発見」が世界中で大ヒット ジョン・コルトレーンはなぜ「特別」なのか

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どよめいた会議室

 斉藤さんは、今年1月、米ニューヨークの本社に招集された。傘下のヴァーヴ・レコードの往年の名盤の販売戦略を討議する中で、この発見音源の商品化が明かされた。

 1曲だけ披露されたが、その場にいた15人全員が圧倒された。半世紀も前の録音テープが、よくぞ劣化しなかったものだ。これは売れるぞ。驚きと興奮の声が上がり、本社ビル3階の会議室は拍手で包まれた。

 斉藤さんは、モノラル録音の音質を懸念していたが、かえって音楽の輪郭が鮮明だと感じた。「すごい!」とうなった。

失われたテープ

 斉藤さんらが驚いたり興奮したりしたのは、これが本来、世に存在するはずがない録音だからだ。

 関係者らの話では、コルトレーンは63年3月6日に当時のバンドと録音スタジオでこの演奏を吹き込んだが、お蔵入りになった。理由は不明だ。録音テープは、レコード会社の倉庫に眠った。4年後、コルトレーンは肝臓がんのため40歳で亡くなった。

 70年代後半に米国のマイケル・カスクーナさん(68)らが、レコード会社の倉庫に調査に入った。倉庫に埋もれた録音物を“発掘”し世に出すことを生業とするカスクーナさんは、この録音が行われたことが記載された台帳を発見した。が、この“ジャズ界のインディ・ジョーンズ”をして録音テープ自体は見つけられなかった。コスト削減のためレコード会社が保管物を廃棄したと推測されている。

 テープは失われた。が、思わぬ形で演奏は蘇る。

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