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【大人の遠足】長野・小諸市立藤村記念館、中棚荘 肌で感じる作家の息遣い

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 聞いて思わず膝を打った。例えば、こんなエピソードが伝わっているらしい。空を流れる雲を観察し、そのさまを文章に書き出していたそうだ。「形や色は、朝昼晩で異なるし、四季折々でも異なるでしょ」。つまるところ、「観察」なのだという。小諸で暮らす人々の挙措(きょそ)や会話の内容にも聞き耳を立てていた。

愛用の「矢立て」展示

 記念館には、そんな折に藤村が愛用していた携帯用の筆記用具「矢立て」を展示している。愛用していたたばこ入れやたばこ盆もあって、「1日10箱くらいほど吸っていた。でもちょっと吸っただけで盆に立てて消していた」(川原田館長)とのこと。

 懐古園には、藤村詩碑が建っていて、かの有名な「小諸なる古城のほとり~」で始まる「千曲川旅情の歌」が刻まれている。その碑文の原版は藤村の直筆で、記念館に入ると正面の壁にかけてある。

 実に面白いのは、修正した白い紙が所々に張られていることだ。「浅間」を「あさま」にするなどしている。「千曲川」という文字は、縦書きの詩文だと少し左にずれていると感じたのだろう、わざわざ右寄せに書き直している。揚げ句、自分の名前まで位置を移している。きちょうめんな藤村の性分が見て取れるではないか。

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